化学は物質についての学問である。今後機械システム工学科で扱うであろう材料（物質）を原子の結合の違いから眺め、物質の構造と性質（機能性）との繋がりを学ぶ。
近年、新たな機能性を示す様々な新規物質（有機、無機、有機ー無機ハイブリッド化合物、金属など）が開発されてきているが、それらの物性だけを学ぶのではなく、構造とそれに由来する性質を関連付けて学ぶことにより、今後開発されるであろう新規機能性物質を機械工学に取り入れる際に、対処できるようにする。最後に、生物活性物質として薬について解説する。

これから先、材料として扱う物質の構造と性質の関係を、化学の目で原子・分子レベルから理解し、説明できるようになる。

物質の構造、原子、結合、機能性（力学的特性、熱特性、電気特性、磁気特性、光特性）、生物活性、薬

基礎専門科目
この科目は、機械システム工学科学習・教育目標のＡに該当する。

下記の日程に従って講義を行う。講義の最後に、小問題を解き、提出（出席確認を含む）。次回の授業の最初に解答例を示す。

１. 「モノを使いこなすとは」「物質構造の階層性と機能性」
２．「電子、原始のプロフィール」
３．「元素の周期律」
４．「原子の機能性」
５．「結合のいろいろ」
６．「結合が作り出すもの」
７．「気体、液体、固体、液体と固体のあいだ」
８．「高分子化合物」
９．「セラミックスとセメント、合金」
１０．「天然物材料、材料の複合化」
１１．「現代の科学技術で重要な機能性」
１２．「材料の劣化、有害性と安全性、資源とリサイクル」
１３．「生物活性としての薬」（プリント配布）
１４．「現在の病気と薬」（プリント配布）
１５．期末試験と解説

教科書は必ず持参のこと。教科書は簡潔に記載してあるので、予習して授業に臨んでください。パワーポイントはノートに筆記して理解を深めましょう。遅刻をしないようにすること。講義の残り２０分に小テストだけを目的に教室に入ることを禁ずる。
また、講義中の私語、飲食など、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、退室を求めることがある。

日頃から生活の中で使っている材料（物質）に関心を持ち、情報を持って講義を聞くことで興味が増し、理解が深まる。
講義で学んだ物質に関して、さらに知識を深めるよう自分でも調べてみたり、ニュース等も 関心を持って聞くようにする。
期末試験を行うので、知識を整理しておくこと。

試験（７０点）および毎回の小テスト（３０点）をもとに、合格ラインの６０点を判定する。
８０点以上 ：化学の基礎知識を持ち、学んだ新しい項目に関して７０％は説明できる。
７０ー７９点：化学の基礎知識を持ち、学んだ新しい項目に関して５０％は説明できる。
６０ー６９点：化学の基礎知識を持ち、学んだ新しい項目に関して３０％は説明できる。

期末試験と毎回の小テストの評価。期末試験を受けるためには2/3以上の出席が必要。

テキスト：物質の機能からみた化学入門 杉森 彰 著 裳華房 ￥2,400。
参考書：無機機能材料 川本邦仁 編 東京化学同人 ￥3000。有機機能材料 荒木孝二・赤石満・高原淳・工藤一秋著 東京化学同人 ￥2900。世界の化学産業 田島慶三著 東京化学同人 ￥1600。 ベーシック医薬品化学、赤路健一他著 化学同人、￥3000。

遅刻せず、毎回授業に出て、講義をよく聞きましょう。材料（物質）の機能性と応用を重点に解説します。

毎週木曜日１７：００～１８：００、相談受付場所：工学部３号館、３－２３０６号室。