【授業の目的】
エレクトロニクス実験Ⅰは,初めて電気回路に触れる学生が,電気測定の基礎に習熟するとともに講義で学んだ理論を実際の素子の特性や回路の応答から確認し,また,学んだ理論によって実験で得られた結果を理解し,説明できるようになることを目的としている。
【授業の到達目標】
1.基本的な測定器を取り扱うことができる。【技能】 2.エレクトロニクス分野で用いられる基本的な回路素子とその特性を理解できる。【知識・理解】 3.与えられた回路を実際の回路素子を用いて構成できる。【技能】 4.エレクトロニクス分野で用いられる諸物理量を適切な装置を用いて測定できる。【技能】 5.測定データを図表に表現できる。【技能】 6.実験結果を適切な図表を用いて整理し,理論に基づいた論理的な考察と,結論を報告書(レポート)にまとめることができる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
オームの法則,キルヒホッフの法則,テブナンの定理,インピーダンス,電力,力率,回路シミュレーション
【科目の位置付け】
この科目は、ディプロマポリシーのうち下記の能力を養うことを目的としている。 ・エレクトロニクスの基礎知識とそれを応用する能力 ・計画的に仕事を進め,結果を文書にまとめる能力
【授業計画】
・授業の方法
1週目は,実験を安全かつ円滑に実施するためのオリエンテーションを行う。続いて,次のⅠ~Ⅲの実験テーマについて,それぞれ4つの実験項目を1週ずつ計4週で実施する。
・日程
第1週:オリエンテーション Ⅰ直流基礎 第2週:直流測定の基礎(抵抗、電圧、電流) 第3週:抵抗の直列・並列・直並列接続の合成抵抗 第4週:キルヒホッフの法則 第5週:テブナンの定理とブリッジ回路 Ⅱ交流基礎 第6週:交流測定の基礎 第7週:抵抗とインダクタの直列接続 第8週:抵抗とキャパシタの直列接続 第9週:抵抗,インダクタ,キャパシタの直列接続 Ⅲ発展 第10週:微分回路 第11週:積分回路 第12週:力率,有効電力,無効電力,皮相電力 第13週:LTspiceを用いたRLC直列回路シミュレーション
第14週:最終レポート提出 第15週:まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
実験項目は基礎から徐々に高度な内容へ順に学べるように準備されており,テーマ群ごとの4項目を実施したうえで所定書式の報告書(レポート)にまとめて提出する。遅刻や欠席によって実験項目の一部でも実施しなかった場合には,報告書が提出できないことになるので,遅刻や欠席は厳に慎むこと。やむを得ない事情で遅刻・欠席しなければならない場合には“事前”に届け出たうえで補充実験等の指示を受けること。また,実験中は無用な私語などにより他の学生の迷惑となる行為は慎むこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
実験の項目は全て座学講義科目で学習した内容に基づいている。実験開始時までにそれぞれの実験項目で設定されている事前課題を解いて実験にのぞむこと。
【成績の評価】
・基準
期限までに提出された3通の報告書(レポート)をそれぞれ,【到達目標1~4:15×4=60点】,【到達目標5,6:20×2=40点】の合計100点で評価し,すべての報告書で60点以上を合格とする。
・方法
すべての報告書で60点以上を得た3通の報告書(レポート)の平均点を科目の評価とする。なお,すべての報告書は期限までに提出されていることを条件に評価するので,指示された提出期限を厳守すること。
【テキスト・参考書】
テキスト:エレクトロニクス実験Ⅰ指導書 参考書:電気回路Ⅰ,電気回路Ⅱ,専門数学Ⅰ・Ⅱで使用した教科書
【その他】
・学生へのメッセージ
実験はそれぞれの項目に関する知識を座学で十分に習得できていることを前提に計画されている。実験中はもちろん実験が終わってから指導書,参考書を読む態度では円滑に実験を遂行できないことを肝に銘じ,必ず実験前に予習しておくこと。
・オフィス・アワー
【場所】 中島:工学部9号館208号室、電話:0238-26-3291、e-mail: nakajima@yz.yamagata-u.ac.jp 稲葉:工学部7号館115号室、電話:0238-26-3276、e-mail: inaba@yz.yamagata-u.ac.jp 齊藤:工学部9号館401-1号室、電話:0238-26-3289、e-mail: atsu@yz.yamagata-u.ac.jp 成田:工学部7号館129号室、電話:0238-26-3304、e-mail: narita@yz.yamagata-u.ac.jp 【時間】電話あるいはメールでアポイントをとること。
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