生化学Ⅱ
 Biochemistry II
 担当教員:今野 博行(KONNO Hiroyuki)、真壁幸樹(MAKABE Koki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学バイオ工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
生化学は生命科学の中心であり、生体分子の構造や機能、生体反応はその基本である。本講義では、私たちの体内で起きている生化学反応の基本的な事項について学ぶ。
生化学IIでは生体内代謝ならびにセントラルドグマについて学んでいく。生体内代謝では私たちが摂取する栄養源が体内でどのように使われエネルギーを作り出しているのか、また再利用されているのかを分子レベルで理解する。一方、セントラルドグマでは遺伝情報を使ってどのようにタンパク質が生合成されているかを学ぶ。

【授業の到達目標】
生命科学の基礎として様々な代謝反応を学んでいく。酵素を触媒として有機分子が変換されていく過程は有機化学的な反応と同じである。メカニズムを考えながらその巧妙さを楽しんでほしい。
糖代謝とエネルギー生産について構造式を描きながら説明できる。
脂質代謝について構造と機能を説明できる。
アミノ酸、核酸などの窒素代謝について合成と分解を説明できる。
DNA, RNAの構造を説明できる。
遺伝情報の複製や転写について説明できる。
遺伝情報を元にしたタンパク質の発現について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
解糖系、糖新生、ペントースリン酸経路、TCAサイクル、ATP合成、脂肪酸合成、カルビン回路、窒素固定、プロテアソーム、尿素回路、DNA、RNA、複製、転写、発現、遺伝子組換え

【科目の位置付け】
生化学の基礎科目であり、I,IIと通して学ぶことによって一通り基礎が終了となります。この講義は、専門分野における知識と応用力を養うための、化学・バイオ工学の基盤となる科目に主に対応します。

【授業計画】
・授業の方法
下記の日程に従って授業を行う。15章が終わった時に中間試験を、さらに最終週に期末試験を行う。授業中は私語、飲食等で他の学生の迷惑となる行為を行った場合は受講を遠慮してもらう。
・日程
第1週 第8章 糖質の代謝
第2週 第9章 クエン酸回路
第3週 第10章 酸化的リン酸化
第4週 第12章 脂質代謝
第5週 第13章 光合成
第6週 第14章 窒素代謝:合成
第7週 第15章 窒素代謝:分解
第8週 中間試験と前半のまとめ
第9,10週 第17章 核酸
第11,12週 第18章 遺伝情報
第13,14週 第19章 タンパク質の合成
第15週 期末試験と後半のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
教科書は必ず持参すること。教科書内の表や例題の解説を講義中に行うので理解に努める。わからない点や、さらに解説が欲しい場合は授業の後やオフィスアワーを利用して質問をすること。授業中は私語、飲食等で他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮してもらう。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習として講義で扱う部分について教科書を読んでおくことが望ましい。講義中に毎回章末問題を宿題としますので、必ず行うこと。講義後、内容のポイントを整理するなどの復習をし、さらに宿題以外の問題を解くなどしておくことが望ましい。

【成績の評価】
・基準
糖代謝、脂質代謝、窒素代謝について構造式を用いながらその合成と分解について説明できることを合格の基準とします。
生化学IIで重要な酵素、ビタミンの機能について的確に説明できることを合格の基準とします。
遺伝情報からタンパク質合成までの流れについて説明できることを合格の基準とします。
・方法
中間試験と期末試験を各40点、レポートと授業態度の平常点を20点として合計100点を満点とする。そのうち60点以上を合格とする。なお、出席が3分の2に満たない学生は、評価の対象外とします。

【テキスト・参考書】
マッキー「生化学 第4版」化学同人 ¥7,400をテキストとして使用し、「エッセンシャル生化学」東京化学同人ならびにボート「基礎生化学第3版」東京化学同人を参考書とします。また担当教員が作成するスライド,プリントなどを授業で配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
遅刻せず、毎回授業に出て、説明を真面目に聞きましょう。生体内代謝反応は複雑なため理解するのに時間がかかりますが、一定のレベルを超えるとさらに詳しく学びたくなるはずです。一緒に生化学の基礎を勉強していきましょう。
生化学としては、構造(生化学I)、代謝、遺伝子、蛋白質合成 (生化学II)をグループごとに学んでいるため、2科目を通じて学んで初めてひととおりの基礎知識を持つことになります。その後に続く生命科学系の専門科目を学ぶためには必要な基礎知識です。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を今野研究室(3号館3階3-3205号室)、真壁研究室(9号館4階409号室)において、毎週水曜日 16:00~17:00 の間に設けます。

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