【授業の目的】
建築学における居住性快適化には、建築物の軽量化および高強度化のみならず、高断熱、不燃性、低コスト化など材料に対する要求は枚挙に暇がない。このような材料に対する要求を解決するための新材料のあり方を探究する。
【授業の到達目標】
この新材料加工学を履修した学生は, 1)DislocationおよびDisclinationについて説明できる。 2)建築様式に従って,適した材料を選択できる。 3)建築様式に従って,適した加工・接合法を選択できる
【授業概要(キーワード)】
弾性論、塑性論、高分子材料の難燃化および不燃化処理、セメント材料製造法
【科目の位置付け】
この授業は,建築材料において金属・高分子・セラミックス・木材など地球上のほとんどの資源を建築資材として用いている。それらの材料プロセスの活用例を学ぶことができる。
【授業計画】
・授業の方法
1)シラバスに書かれた毎回の課題を順次取り上げる。 2)課題ごとの考え方,利点,弱点を質疑応答形式で進める。
・日程
第一回: ガイダンス(建築と材料との関わり:構造・環境・安全・耐久) 第二回: 構造を司る強さ:弾性論1(伸び、引っ張りに対する強さ:フックの法則) 第三回: 構造を司る強さ:弾性論2(鉄筋・鉄骨の強さ:鉄の単純引張り) 第四回: 構造の安全性:弾性論3(建物が支えるとは何か?:ティモシェンコの弾性論紹介) 第五回: 構造の安全性:塑性論1(複雑な形状の外力に対する変形を考える:フォンミーゼス応力) 第六回: 構造の安全性:塑性論2(変形する限界の力を考える:トレスカ応力) 第七回: 構造の安全性:セメント製造法1(何故、鉄鋼精錬と結びつくか?) 第八回: 構造の安全性:セメント製造法2(セメントの種類:エーライト・ビーライトなど) 第九回: 環境を実現する材料:高分子材料加工1(高分子・プラスチックとは何か?) 第十回: 環境を実現する材料:高分子材料加工2(高分子の断熱・接着とその原理:発泡材・繊維・不織布・接着剤・コーキング) 第十一回:環境と安全性:高分子材料加工3(高分子と設備機能・施工・加工:燃えない樹脂設計・湿気を吸い取る樹脂・免振樹脂) 第十二回:建築用材料としての活用例1(ハイブリッドな建築構造材料) 第十三回:建築用材料としての活用例2(エレガントな環境材料) 第十四回:快適居住性を実現する材料事例1(住宅での事例) 第十五回:快適居住性を実現する材料事例2(ビル建築物での事例)
【学習の方法】
・受講のあり方
1)参考図書を学習し,ノートに筆記するなどして活用する。 2)パワーポイントおよび板書で示される講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)宿題として指定された問題は必ず解いて,レポート用紙にまとめて提出すること。 2)授業中の問題で間違えた箇所は授業後にきちんと正解と照合すること。 3)授業で習った内容に関することは,図書館およびネットで自分なりにしらべること。
【成績の評価】
・基準
新材料の建築適用の基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
レポート60点+期末テスト40点、合計100点満点で評価する。
【テキスト・参考書】
テキストは用いない。参考図書として下記に紹介する。『Introduction to Ceramics, 2nd Edition』(Wiley Series on the Science & Technology of Materials)W.D. Kingery, H.K. Bowen & D.R. Uhlmann,『Theory of Elasticity』(Dover) S.P. Timoshenko & J.N. Goodier,『弾性・塑性論』(理工学社)ベズーホフ,『Theory of Dislocations』(Wiley-interscience)J.P. Hirth & J. Lothe,『金属材料学』(理工学社)武井英雄などがあるが、参考図書一覧表を配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
理系の学生に関わる講義内容です。 また、講義で理解できなかった点や、疑問に思ったことは積極的に質問にくること。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」は小白川キャンパス地教1号館日髙研究室において月曜日の12:00~13:00の間に設けます。都合がつかない場合は事前に連絡のうえ適時対応します。
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