【授業の目的】
工業の各分野に関する基礎知識を習得し、現代社会における工業技術異議や役割を理解することを目的とする。工業技術一般に関する包括的な内容を学ぶことによって、工業における工学の位置付けおよび役割に関する知識を習得する。
【授業の到達目標】
工業技術一般に対する理解を深めるため、ものづくりが抱える現代的課題や技術者倫理、工学を支える基礎科学、機械、電気電子、情報、材料、高分子、生産工学などの広い学問分野を理解する。
【授業概要(キーワード)】
ものづくりと生産工学 有機・高分子合成 有機光電子デバイス 高分子 情報技術 情報通信ネットワーク エレクトロニクス 要素設計技術 リンク機構の設計 機械工学の役割
【科目の位置付け】
工業の高等学校教諭一種免許状を取得するための必修科目で、教科に関する科目。
【授業計画】
・授業の方法
工業高校の教科書に即して演習や実習を交えながら講義を行う。教職関連科目であるので、機会があれば模擬授業や外部講師による講義も取り入れる。講義の進行は理解度や実習の進捗度にあわせて柔軟に行う。
・日程
第1回 ガイダンス 工業技術の基礎 第2回 ものづくりと生産工学(1) 第3回 ものづくりと生産工学(2) 第4回 現代社会の諸問題解決に繋がる有機・高分子合成 高齢化、資源枯渇は、現代社会が抱える大きな問題である。それらの解決に繋がる有機・高分子材料の合成開発について述べる。 第5回 有機光電子デバイス 電気を流すことができる有機物によって構成された光電子デバイスについて、その実例と特徴を示しつつ、基本技術を解説する。 第6回 身の回りの高分子とこれからの高分子 汎用・高機能高分子材料がどのような性能を持ち、どのような用途に用いられているか、さらにその加工方法について概説する。 第7回 前半のまとめ、中間試験、試験の解説 第8回 情報技術の技術動向 情報技術の技術動向と、それを基盤とした産業に関する現状を、客観的データに基づいて概説する。 第9回 情報通信ネットワーク 情報通信ネットワーク関連の技術動向と、それを基盤とした産業に関する現状を、客観的データに基づいて概説する。 第10回 エレクトロニクス エレクトロニクス関連の技術動向と、それを基盤とした産業に関する現状を、客観的データに基づいて概説する。 第11回 機械システムⅠ(要素設計技術) 歯車、ころがり軸受などを中心に機械要素の構造から設計方法、選定方法について解説する。 第12回 機械システムⅡ(リンク機構の設計) リンク機構の解析・設計方法について、その力学解析を用いた手法について解説する。 第13回 機械システムⅢ(機械工学の福祉分野への応用) 福祉分野で期待される機械工学の役割について解説しながら、人体運動解析の初歩について講義する。 第14回 総合演習 第15回 後半のまとめ、期末試験、試験の解説
【学習の方法】
・受講のあり方
工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術の存在を把握し、将来教職に就いた際には、必要に応じて自らを研鑽し、生徒に授業として提供できることを目指して受講すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
自分の専門分野以外の事項を多く学ぶため、日頃から新聞や雑誌等の関連する記事などを読み、視野を広げる努力が必要。教職を意識して、自分で説明できるようにすること。
【成績の評価】
・基準
ものづくりが抱える現代的課題や技術者倫理、工学を支える基礎科学、機械、電気電子、情報、材料、高分子、生産工学などの理解度を、試験やレポート等の結果で判断する。
・方法
中間試験の成績(30点)と期末試験の成績(30点)を合わせた60点分と、 各回の担当教員がレポート、実習課題等(各回40点満点)を出し、全13回の得点を平均したものを合わせて評価。60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
山下省蔵ほか著、工業技術基礎、実教出版。 また、必要に応じてプリント等を配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
様々な工学分野の技術や基礎理論、また技術者倫理について、幅広く興味を持って取り組み、技術者としての視野を広げてください。
・オフィス・アワー
適宜、相談の上、時間等を設定するので、事前に連絡をすること。
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