工業概論
 Introduction to Industrial Technology
 担当教員:近藤 康雄(KONDO Yasuo)他
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機能高分子工学科  科目区分:専門科目 
【授業の目的】
工業の各分野に関する基礎知識を習得し、現代社会における工業技術の意義や役割を理解することを目的とする。工業技術一般に関する包括的な内容を学ぶことによって、工業における工学の位置付けおよび役割に関する知識を習得する。

【授業の到達目標】
工業技術一般に対する理解を深めるため、ものづくりが抱える現代的課題や技術者倫理、工学を支える基礎科学、機械、電子、情報、材料、高分子、生産工学などの広い学問分野を扱う。最近の話題を取り混ぜ、工業技術全般を理解できるように配慮しながら進める。

【授業概要(キーワード)】
工業技術、先端技術、工業教育

【科目の位置付け】
本講義は、工業高校教員免許対象の教職必修科目で、教科に関する科目である。

【授業計画】
・授業の方法
工業高校の教科書に即して演習や実習を交えながら講義を行う。教職関連科目であるので、機会があれば模擬授業や外部講師による講義も取り入れる。講義の進行は理解度や実習の進捗度にあわせて柔軟に行う。
・日程
授業計画は以下の通りである
第1回:工業技術の基礎(近藤)
本講義の目標および進め方について概説する。
第2回:ものづくりと生産工学(近藤)
工場での「ものづくり」の方法について、レゴブロックを活用した実習を 行いながら概説する。
第3回:平均値とバラツキ(近藤)
レゴブロックを活用した実習を行いながら、品質管理の基本となるデータ の扱い方について概説する。
第4回:問題発見と問題解決のプロセス(近藤)
「問題のない工場」と言っている工場は「問題だらけの工場」です。ここ でいう「問題」とは何か?また、問題はどうやって解決していくのか、に ついて概説する。
第5回:超音波エネルギーの工業的応用(足立)
プラスチックや金属の部品の短時間での接合や、洗浄、化学反応促進、半 田付けなどのような強力超音波応用技術と言われるものを、その基礎とと もに解説する。
第6回:最近のデバイスの動向(大嶋)
半導体、磁性体、超伝導体などのデバイスを中心に、その原理や作製法な どを概説する。
第7回:最近の通信技術の動向(高野)
小型軽量の情報端末が普及し,情報通信技術が身近になってきている.信 号の形態と信号伝送の技術をベースに,ブロードバンド通信,ワイヤレス 通信,インターネット,デジタル放送などの技術について概説する.
第8回:前半のまとめ、中間試験、試験の解説 (前半担当教員)
第9回:現代社会の諸問題解決に繋がる有機・高分子合成 (鳴海)
高齢化、資源枯渇は、現代社会が抱える大きな問題である。それらの解決 に繋がる有機・高分子材料の合成開発について述べる。
第10回:有機光電子デバイス (横山)
電気を流すことができる有機物によって構成された光電子デバイスにつ いて、その実例と特徴を示しつつ、基本技術を解説する。
第11回:身の回りの高分子とこれからの高分子 (杉本)
汎用・高機能高分子材料がどのような性能を持ち、どのような用途に用 いられているか、さらにその加工方法について概説する。
第12回:機械システムⅠ(要素設計技術)(南後)
歯車,玉軸受などを中心に機械要素の構造から設計方法,選定方法につ いて解説する
第13回:機械システムⅡ(リンク機構の設計)(南後)
リンク機構の解析・設計方法について,その力学解析を用いた手法につ いて解説する.
第14回:機械システムⅢ(機械工学の福祉分野への応用)(南後)
福祉分野で期待される機械工学の役割について解説しながら,人体運動 解析の初歩について講義する.
第15回:後半のまとめ、期末試験、試験の解説 (後半担当教員)

【学習の方法】
・受講のあり方
工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術の存在を把握し、将来教職に就いた際には、必要に応じて自らを研鑽し、生徒に授業として提供できることを目指して受講すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
自分の専門分野以外の事項を多く学ぶため、日頃から新聞や雑誌等の関連する記事などを読み、視野を広げる努力が必要。教職を意識して、自分で説明できるようにすること。

【成績の評価】
・基準
授業中に課す試験やレポート・実習課題を評価の対象とし、60点以上を合格とする。
・方法
成績の評価については、教職科目であるので受講者の状況を鑑み、柔軟に対応する。

【テキスト・参考書】
授業中に別途指示する。
また、必要に応じてプリント等を配布する山下省蔵ほか著、工業技術基礎、実教出版

【その他】
・学生へのメッセージ
開講日時を常にチェックしておくこと
講義で理解できなかった点や、疑問に思ったことは積極的に質問にくること。
・オフィス・アワー
近藤康雄:毎週木曜日の13:00から14:00までに、質問にくること。

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