物性工学演習
 Exercises in Polymer Physical Engineering
 担当教員:西岡 昭博(NISHIOKA Akihiro)
 担当教員の所属:工学部
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門科目・選択必修(高分子物性工学) 
【授業の目的】
高分子物性の基礎(物理的性質)
本演習では高分子物性工学概論(2年後期)で学んだ内容を含み、高分子物性に関して簡単な机上実験や演習問題などを併用し、より深い理解を目指す。本講義の受講により、高分子材料の物性に関わる基本的な事項を体系的に習得することを目指す.

【授業の到達目標】
高分子材料特有の現象を理解する上で、その基礎を学ぶことは必要不可欠である.この演習の受講により高分子材料が粘弾性物質であることに由来する様々な物性を体系的に理解できるようになる.

【授業概要(キーワード)】
高分子、物性、粘弾性、成形加工

【科目の位置付け】
高分子材料の基礎と測定法に関する基礎的な知識の習得に位置づけられる。本演習は2年生後期の「物性工学概論」の内容について演習や机上実験などにより深く理解するためにある。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイント、板書、演習問題を併用した形式で行い、適宜、視覚的に理解を促す机上実験も取り入れ、学生の深い理解を促す。
・日程
基本的に毎回演習問題を配付し、講義時間中に行う。
第1週 オリエンテーション、高分子の定義、分類など
第2週 汎用高分子物性的特徴(机上実験など)
第3週 高分子構造1
第4週 高分子構造2
第5週 ガラス転移、ガラス転移の機構
第6週 ガラス転移近傍での物性変化
第7週 弾性体、粘性体、粘弾性体の物性的特徴(机上実験など)
第8週 粘弾性モデル1
第9週 粘弾性モデル2
第10週 流動特性の測定法1
第11週 流動特性の測定法2
第12週 成形加工法と材料の流動制御(机上実験など)
第13週 プラスチック成形加工の応用例1(机上実験など)
第14週 プラスチック成形加工の応用例2(机上実験など)
第15週 講義のまとめと試験

【学習の方法】
・受講のあり方
演習は講義形式での説明、机上実験やその内容についての演習問題の実施という両方で行う。特に机上実験はグループごとで実施するので、協力の上で高分子材料に物性を理解できるように心がけること。欠席や私語のないように受講すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
2年前期開講の「物性工学概論」の内容を復習しておくこと。演習問題を配布し実施するので、不明な点は復習すること。また受講で習った内容に関連することを図書館などで自分ありに調べることも重要である。

【成績の評価】
・基準
高分子材料の物性に関する基礎的な事項について理解し、適切に説明できること、また授業で得られた知識に基づいて主体的に考察し、論述出来ることが合格の基準です。成績は成績、レポート、演習問題、出席状況などの内容で評価する。
・方法
合否は試験の成績、レポート、演習問題、出席状況等で総合的に判断する。60点以上を合格とする。期末試験の成績、演習問題、出席状況等を総合して判断する.平常点10点+演習問題10点+期末試験80点の合計100点満点とし、60点以上で合格とします。

【テキスト・参考書】
2年前期開講の「物性工学概論」で用いた以下の指定テキストを用いる。
「高分子化学 第5版」 村橋俊介、小高忠夫、蒲池幹治、則末尚志 編」 共立出版(株)

(参考書)
「講座・レオロジー」 高分子刊行会

「高分子材料の化学」 井上祥平、宮田清蔵 共著」 丸善出版(株)
「おもしろレオロジー」 増渕雄一著 (株)工業調査会

【その他】
・学生へのメッセージ
高分子特有のユニークな物性に対し、「なぜ?どうして?」という興味を持って学習して欲しいと思います。基礎的な数学、物理を修得していることが望ましい。
・オフィス・アワー
月曜日 午前8時30分〜9時00分、工学部6号館6階617号室

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