高分子固体力学
 Solid Mechanics of Polymer
 担当教員:栗山 卓(KURIYAMA Takashi)
 担当教員の所属:大学院有機材料システム研究科有機材料システム分野
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機能高分子工学科  科目区分:専門科目・選択必修(高分子物性工学)、選択(高分子合成化学、光・電子材料工学) 
【授業の目的】
連続体としての固体力学応答(弾性,粘性.粘弾性,塑性,破壊)を理解し,高分子固体構造との関係を知る.
高分子材料を工業製品に利用するとき、力学的性質は重要なものとなる。そのための必要最低限の固体力学の素養を身につける

【授業の到達目標】
(1) プラスチックについて理解できるようになる。
(2) 応力・ひずみについて理解できるようになる。
(3) 固体の力学応答を理解できるようになる。
(4) 固体の力学応答と構造との関係を理解できるようになる。
(5) 力学的な基礎物性値の測定方法を理解できるようになる。
(6) 静定はりの材料力学を身につける。

【授業概要(キーワード)】
高分子固体,力学性質(弾性,粘性.粘弾性,塑性,破壊),多成分系高分子,複合材料,成形加工,材料試験、強度設計

【科目の位置付け】
高分子材料の力学物性と材料力学の基礎を理解する工学基礎科目に対応し,機械工学概論をを基礎にして,高分子材料学へ発展する位置にある.

【授業計画】
・授業の方法
本講義は、講義形式授業を14回、中間試験(演習)を1回行っていく。
・日程
第1回 固体の力学的性質とは
第2回 外力と変形の関係から応力とひずみの関係へ
第3回 弾性変形(弾性率,ポアッソン比,異方性)
第4回 塑性変形 (降伏条件,せん断降伏,クレイズ降伏)
第5回 破壊(応力集中,ぜい性破壊,延性破壊,破壊じん性)
第6回 曲げ応力(応力分布)
第7回 曲げたわみ(たわみの方程式)
第9回 中間試験(演習)
第10回 高分子材料の力学試験方法
第11回 粘弾性
第12回 ゴム弾性(エネルギー弾性,エントロピー弾性)
第13回 高分子の相転移と力学的性質との関係(動的粘弾性,温度分散)
第14回 高性能高分子材料の力学特性(多成分系高分子,複合材料)
第15回 製品設計の概要(材料選択,成形加工,製品強度設計)

【学習の方法】
・受講のあり方
Web Classにより教材(パワーポイント)を必ずダウンロードし,授業前に準備しておくこと.演習問題もWeb Classに掲載される.
・授業時間外学習へのアドバイス
授業で注意された重要な点について、ノートに必ず記述しておくこと。

【成績の評価】
・基準
期末試験(100点満点)のみとし、合格ラインを60点とする。(ノート,参考書持ち込み不可)到達目標1),2),3)については100%の理解4)高分子固体状態と弾性率のとの関係を理解する.5)引張試験,曲げ試験を理解する.6)単純はり問題が解けるようになる.いじょうが合格基準となる.
・方法
期末試験は,教材の演習問題集から,類似問題を60%出題する。授業出欠はとらないため成績評価には関係しない.ただし,受講状況を把握するためノート提出を求めることがある.なお,授業到達度を点検するため中間試験(90分)を行う.必ず受講すること.ただし,結果は成績評価に使わない.

【テキスト・参考書】
成澤郁夫、プラスチックの機械的性質、シグマ出版、4,120円(1994)
町田輝史、材料強さの学の学び方、オーム社、2,900円(1981)
N.G.Mccrum,C.P.Buckley and C.B.Bucknall, Principles of Polymer
Engineering, Oxford Science Publications,4500円 (1997)

【その他】
・学生へのメッセージ
機械工学概論,レオロジーを修得しておくと授業の理解に役立つ。
・オフィス・アワー
質問等がある場合には、毎週月曜日の10:30から12;00までに問い合わせてください。

51000167-2019-05-53110