最先端の高分子材料、光・電子材料、医薬品などの開発において、量子化学は必須の基礎である。本授業では、有機分子の性質に関して、量子論的なものの見方・考え方を身につけるため、量子化学における基本的な概念や分子軌道法の基礎を習得することを目的とする。
「高分子物理化学II」を復習しながらそれを基礎とし、光・電子に対する理解を原子から分子へと拡張する。有機化学の基礎を量子化学から理解する。

1. 量子化学、分子軌道法の基礎を習得する。
2. 量子論の誕生の背景を説明できる。
3. 量子力学の基本原理、シュレーディンガー方程式を説明できる。
4. 水素分子の分子軌道について説明できる。

量子化学、分子軌道法、シュレーディンガー方程式、光化学、π電子系有機化合物

高分子合成、光･電子材料、医薬品などの開発において、必須の基礎科目

原則として、黒板での板書をしながら90分間の講義をしていく。

第１回 エネルギーの量子化、光電効果、物質波、不確定性原理
第２回 シュレディンガー方程式
第３回 一次元井戸型ポテンシャル
第４回 波動関数
第５回 分子の振動
第６回 分子の回転
第７回 水素型原子
第８回 多電子原子、スピン、Puliの排他原理
第９回 分子軌道
第１０回 π電子系
第１１回 ベンゼンの分子軌道を計算する
第１２回 分子の対称性と群論
第１３回 有機分子の光の吸収と発光
第１４回 有機化学反応を分子軌道から理解する
第１５回 光化学反応

講義の際の解説、板書内容、配布する資料を参考に理解を深めて下さい。

不明なところは、参考図書を呼んだり、メールでの質問、オフィスアワーに尋ねるなどして解決するようにして下さい。

期末テストにより評価する。また、授業参加点も含め総合的に評価する。

授業参加点、期末試験により評価する。5回以上の欠席、もしくは、定期試験の欠席の場合は単位を取得することが出来ない。

事前のテキスト・参考書として個別に指定するものはありませんが、必要な資料やプリントを授業ごとに配布し、授業進度、学生の理解に合わせて、適宜、指定します。また、下記の参考書は、学習の助けとなるでしょう。

アトキンス物理化学要論、Peter Atkins 他、東京化学同人
はじめて学ぶ量子化学、阿部正紀著、培風館
量子化学、大野公一著、岩波書店
絶対わかる量子化学、斎藤勝裕著、講談社サイエンティフィック

高分子合成、光･電子材料、医薬品などの開発において、必須の基礎科目です。
選択必修ですが、履修を強く勧めます。

授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は研究室（工学部10館5階504）において、原則、月曜日 15:00-17:00 としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。
会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。