経営工学(物質)
 Management Engineering
 担当教員:仁科 辰夫(NISHINA Tatsuo)
 担当教員の所属:理工学研究科物質化学工学専攻
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:集中講義
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門教育科目・専門科目・基盤科目・総合(選択必修)、教職科目(工業) 
【授業の目的】
経営工学について、実例を紹介しつつ、体系的に理解する。
経営工学を学ぶことを通じて、製造業のマネジメント、新事業創造等について、数値として実践的判断ができ、自身が起業して経営者となる際に活用できる。

【授業の到達目標】
1)JISやJAS、ISO等の標準の重要性を理解し、品質管理の手法を経営に生かすことができるようになる。
2)付加価値の意味を理解し、社会に必要な商品を提供できるようになる。
3)無駄をなくし、真に必要な工程を構築できるようになる。
4)PL法、HACCP、ISO9000、ISO14000等の各種規格を理解し、製品開発することができるようになる。
5)労働関連法規と安全衛生法を理解し、安全で誇りをもって働ける社内環境を構築できるようになる。
6)IR情報の見方を理解し、その企業の経営の健全性を評価できるようになる。
7)自社の実力と立ち位置を競合他社との比較で認識する方法論を駆使できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
経営工学、技術マネジメント、ロードマップ、ロジカルシンキング、品質管理

【科目の位置付け】
この科目は、物質化学工学科の学習・教育目標「Mind(A)人類の幸福に貢献できる技術者の育成、(A-2)技術者の仕事として、社会的な意義や責任を自覚し、倫理的に正しい判断を下すことができる」に該当する。

【授業計画】
・授業の方法
8月か9月に集中講義として実施する。受講希望者は4月末までに、担当教員及び担任まで履修希望を申し出ること。
・日程
前半(6回):品質管理という思想
1.工業製品が消費者に届くまで
2.産業の種類と生産方式(製造工程の最適化)
3.生産管理と生産現場(品質管理と品質保証)
4.環境と安全への品質基準
5.経済活動全般に通用する品質マネージメントという思想
6.まとめと理解度の確認
後半(9回):経営管理
7.労働関連法規と安全衛生法(正常な労使関係の重要性)
8.企業経営の健全性を見るIR情報
9.クレームと苦情の違いと活用
10.技術経営(MOT)
11.自社の実力と立ち位置を見極める
12.リコールの対応法
13.死の谷を乗り越えるには
14.仮想企業を想定した経営戦略の構築
15.まとめと理解度の確認

【学習の方法】
・受講のあり方
欠席することは、自らの権利を「放棄」することを意味する。企業経営は収入と支出の収支が基本であり、数値で実力を評価する。数値を考慮しない思い入れなどの感情や思想は不要である。この点を意識して、数値及びこれをグラフとしてわかりやすい形で表現し、議論する能力を磨いてほしい。他の科目の情報処理概論とのリンクはPCによる統計処理において連携しており、品質管理とは類似点も多いので、必ず履修すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義で学んだ事項について、常に自身の場合についてはどうかと当てはめて応用することを実施して欲しい。人生もまた、経営の一つの形態である。

【成績の評価】
・基準
1)JISやJAS、ISO等の標準の重要性を理解し、品質管理の手法を経営に生かすことができる。
2)付加価値の意味を理解し、社会に必要な商品を提供できる。
3)無駄をなくし、真に必要な工程を構築できる。
4)PL法、HACCP、ISO9000、ISO14000等の各種規格を理解し、製品開発することができる。
5)労働関連法規と安全衛生法を理解し、安全で誇りをもって働ける社内環境を構築できる。
6)IR情報の見方を理解し、その企業の経営の健全性を評価できる。
7)自社の実力と立ち位置を競合他社との比較で認識する方法論を駆使できる。
・方法
出席率2/3は最低限の必要条件である。成績評価の到達度確認チェックシートは各項目毎に2~5点の配分であり、加点方式で得点を集計する。前半の到達度確認チェックシートでは最大得点を40点、後半の到達度確認チェックシートでは最大得点を60点とし、両者を加算して100点満点とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:岩崎日出男、泉井力、クオリティマネジメント入門、日本規格協会, (2004)
参考書:大滝厚、日本規格協会、JISマーク品質管理責任者
参考書:大村平、評価と数量化のはなし、日科技連
参考書:大村平、信頼性工学のはなし、日科技連

【その他】
・学生へのメッセージ
実践的な講義を行いますので、色々な企業のマネジメントに関心のある方は是非参加すること。他の科目の情報処理概論と品質管理はともに受講して理解を深めておくことが望ましい。
・オフィス・アワー
月曜日16:00~17:00(9号館9-300-3)となります。

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