CAD/CAM/CAE
 CAD/CAM/CAE
 担当教員:大町 竜哉(OHMACHI Tatsuya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
人間が行う複雑な知的作業の代表的なものである設計を中心に,どんな作業が計算機によって代替可能なのかをしらべ,基本的な計算機援用技術を学びます.また,CADシステムやCAMシステムの実例を紹介しながら,実際の設計・生産作業を概観します.
機械の設計・生産における計算機援用技術の基礎について学びます.

【授業の到達目標】
(1) CAD/CAM/CAEについて簡単に説明できる.[DP4]
(2) コンピュータの基本構成と動作について説明できる.[DP4]
(3) コンピュータにおけるデータ表現のうち,2進数データの正負,浮動小数点表現について説明できる.[DP4]
(4) 点,直線,平面の式を用いて交点を計算できる.[DP4]
(5) エルミート曲線,ベジエ曲線を計算できる.[DP4]
(6) 立体図形を,Winged-Edgeデータ構造を用いてB-Reps法でモデル表現できる.[DP4]
(7) CAMの基礎について学び,エンドミル加工について簡単に説明できる.[DP4]
(8) CAEの基礎について学び,FEM解析について簡単に説明できる.[DP4]
(9) 知識情報処理の基礎について学び,設計問題解決のための知識データを作成できる.[DP4]
(10) 機械設計支援エキスパートシステムについて学び,実例を1つ紹介できる.[DP4]
(11) GA法を用いて簡単な問題解決をできる.[DP4]
(12) 示された課題を理解し,自主的にそれを解いて期限内に提出することができる.[DP9]

【授業概要(キーワード)】
設計法,機械設計,CAD/CAM/CAE

【科目の位置付け】
この科目は機械システム工学科の学習・教育到達目標の(C)「実践的機械工学」[CP3],(F)「自主的・継続的学習能力」[CP6]を養成するための選択科目である
.専門科目「設計工学」,「微細加工」に関連した内容を扱う.

【授業計画】
・授業の方法
講1回90分の講義および演習を15週にわたり行う.また,2回の試験を実施します.
・日程
全15週を予定している.

第1週:CAD/CAM/CAEの誕生
コンピュータ,CAD,CAM,CAE
(予習)基盤教育「情報処理」のテキストを読んでおく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第2週:コンピュータの基本構成と動作
コンピュータアーキテクチャ,CPU,メモリ,入出力機器
(予習)コンピュータアーキテクチャに関する参考書を読んでおく.
(復習)コンピュータの基本動作をノートで再確認する.
第3週:コンピュータにおけるデータ表現
2進数,2の補数,浮動小数点数
(予習)高等学校の数学の教科書の2進数に関する記述を読んでおく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第4週:図形処理の基礎(1) 点と直線と平面の表現
行列,ベクトル空間,内積,外積
(予習)専門基礎科目「数学II」の行列,ベクトル空間について復習しておく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第5週:図形処理の基礎(2) 曲線の表現
エルミート曲線,ベジエ曲線
(予習)専門基礎科目「数学II」の行列,ベクトル空間について復習しておく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第6週:3次元図形処理
ワイヤフレームモデル,サーフェスモデル,ソリッドモデル
(予習)3次元図形モデリングに関する参考書を読んでおく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第7週:中間試験およびその解説
第8週:CAMの基礎
NC加工,工具経路,干渉判定
(予習)専門科目「機械工作法」のNC加工について思い出しておく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第9週:CAEの基礎
FEM解析,BEM解析
(予習)専門科目「基礎材料力学及び演習」,「工学解析」.「計算力学」について思い出しておく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第10週:知識情報処理(1)
知識工学,知識の種類,知識表現
(予習)知識工学に関する参考書を読んでおく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第11週:知識情報処理(2)
問題解決システム
(予習)設計に係わる知識をデータ表現しておく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第12週:機械設計支援エキスパートシステム
エキスパートシステム
(予習)エキスパートシステムに関する参考書を読んでおく.
(復習)簡単なエキスパートシステムを構築する.
第13週:GA法による機械設計問題の解決
GA法
(予習)GA法に関する参考書を読んでおく.
(復習)講義中に指示する課題に取り組む.
第14週:期末試験とその解説
第15週:総合演習
(予習)中間試験,期末試験問題を再度解いておく.
(復習)講義で取り扱った内容で理解が足りなかった箇所を再度学習する.

【学習の方法】
・受講のあり方
計算機援用技術に興味のある学生の聴講を希望します.
なお、講義に出席し、話を良く聞き、疑問点は積極的に質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
機械の設計はこれまで学んできた機械工学の基礎的知識を総動員する複雑な作業です.
これまでに学んだ専門科目の内容をしっかり身につけておいてください.
特に授業計画(日程)で示した科目については予習の際によく思い出しておいてください.
復習は主として講義中に指示した課題に取り組んでください.

【成績の評価】
・基準
授業中に指示した課題について次回までに報告書にまとめ提出する.
さらに2回の試験を実施する.報告書および試験によって,到達目標に示した各項目を総合して60%が達成されたことが確認できたとき,合格基準を満足したと判定する.
・方法
100点満点の評価点のうち60点以上で単位を認定する.
100点満点の内訳は下記の通り.
講義中に指示した課題について提出された,複数回の報告書を総合して40点満点で評価する.
中間試験を30点満点で評価する.
期末試験を30点満点で評価する.

【テキスト・参考書】
特に指定しないが、必要に応じて印刷した資料を配布するので、指示に従うこと。

【その他】
・学生へのメッセージ
この講義では,CAD/CAM/CAEに関するソフトウェアを利用した演習を予定していない.
・オフィス・アワー
学科の掲示板で示すので、各自確認し、質問等がある場合は問い合わせること。

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