センシング工学
 Sensing Engineering
 担当教員:佐藤 学(SATO Manabu)
 担当教員の所属:工学部 情報・エレクトロニクス学科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
近年、さまざまな分野で応用・展開がなされている電気電子技術に基づいた計測技術について、その各種測定原理を理解し、計測技術全体の枠組みを把握することを目的とする。内容としては、まず計測工学の基礎として、測定システムの基本構成、測定量の単位系、測定に伴う誤差・精度、基礎的な測定手法である偏位法・零位法、次に、測定システムの静特性・動特性、アナログ量とデジタル量について概略を学ぶ。さらに、各物理量を電気信号に変換するセンシング要素の各論、得られた電気信号を数値処理する演算要素の基本、さらに結果を記録・表示する表示・記録要素について学習する.
各種センサの基本的性質や動作原理を理解し、それを用いた計測システム全体の構成・基礎特性を理解し,さらに応用力や展開力を伸ばすための基盤形成を行う.

【授業の到達目標】
1) 計測システムの基礎構成とその機能が説明できる。【技能】
2) 測定値に対する誤差や精度の理由とその値が説明できる。【技能】
3) 基礎的な測定法である偏位法・零位法の原理が説明できる。【技能】
4) アナログ量とデジタル量の概念・長所・短所が説明できる。【技能】
5) 各物理量を電気信号に変換する主要なセンシング要素の原理を説明できる。【技能】
6) 得られた電気信号を数値処理する演算要素の原理を説明できる。【技能】
7) 各要素技術と計測システム全体の構造や機能が理解できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
計測システム、誤差、静特性、動特性、センサー、アナログ、デジタル

【科目の位置付け】
本科目の基礎となる科目は,工業数学、電磁気学である。また、位置づけとしては,基礎から応用・展開と幅広い内容を含み,基礎的科目の内容からそれらを応用する科目であり,論理的な思考力が修得できる科目となっている.(カリキュラム・ポリシーに準じている.)

【授業計画】
・授業の方法
テキストを添って、90分の講義と,授業時間内にまとめと共に中間試験、期末試験を行う.
・日程
第1週 講義概要と進め方の説明、自主的に学習する能力の涵養法について説明
第2,3週 計測要素の入出力、静特性、誤差
第4-6週 要素の動特性モデル、動特性応答
第7週 負荷効果
第8週 中間試験とまとめ
第9週 信号変換要素
第10,11週 アナログ、デジタル演算
第12,13週 表示記録要素
第14週 システム応用例
第15週 期末試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
授業中は,ノートを取りながらとなるが,説明をよく聞くように心がけてほしい.ベクトル解析学、微分積分学などの工業数学、電気回路、システム基礎は関係が深いので復習しておくことが望ましい。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業前に授業箇所に目を通し、関係の深い専門内容は事前に調べること。
復習が大切なので,不明な点を残さずに関連科目を調べ,十分理解して欲しい.
授業内容を理解するために、関連図書を読んだり、友達と議論するのが望ましい。
また,高校で学習する数学や物理についても不明なときは大いに戻って基礎内容を学習することを推奨する.

【成績の評価】
・基準
1) 計測システムの基礎構成とその機能が説明できることを合格の基準とする。
2) 測定値に対する誤差や精度の理由とその値が説明できることを合格の基準とする。
3) 基礎的な測定法である偏位法・零位法の原理が説明できることを合格の基準とする。
4) アナログ量とデジタル量の概念・長所・短所が説明できることを合格の基準とする。
5) 各物理量を電気信号に変換する主要なセンシング要素の原理を説明できることを合格の基準とする。
6) 得られた電気信号を数値処理する演算要素の原理を説明できることを合格の基準とする。
・方法
中間試験50点と期末試験50点の合計100点で,60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
計測システムの基礎 小宮勤一著 コロナ社 2,200円(1995)
電気・電子計測 新妻弘明・中鉢憲賢著 2,987円(1994)

【その他】
・学生へのメッセージ
目に見えない”電子”を用いて、いろいろなものを測る技術の学習である。
専門数学、電気回路、線形システム基礎、電子回路を履修していることが望ましい。
不明なところは積極的に自ら図書館等で調べて自分の知識として吸収して頂きたい.
・オフィス・アワー
9号館803号室、質問は随時可能
授業直後の質問も,もちろん受け付けます.

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