３年次に開講されている電気電子工学に関する専門科目は、２年次で学んだ基礎学問体系の上に構築され、さらにそれを深めた科目である。これらの専門科目の内容は、様々な産業分野、例えば、半導体、電子機器、計測機器、ロボット機器、電力・エネルギー、運輸、通信などの様々な業界でで直接あるいは間接的に応用されている。本講義では、専門科目を勉強するにあたり、その応用分野に対する視野を広げるため、各業界から招いた技術者や研究者の講演を聴講する。
また、将来、専門家として社会で日々活躍して行けるようになるには、「学校」という無菌状態の閉じた社会での勉強だけでは全く不十分であり、学生時代から「リアルな社会」とのつながりを持つ事が大切となって来ている（伊賀泰代、採用基準、ダイヤモンド社、p.58-63参照）。そのためのインフラは大都市部ではかなり整備されているが、地方大学に通う学生には残念ながら用意されていないのが現状である。

○講師が働いている業界の現在の状況、今後の動向を説明できる。
○その業界における電気系エンジニアの役割を説明できる。
○その講演を聞いて得たことを自分の言葉で短くまとめて説明できる。
○様々な業界の実情を知ることで、複眼的思考能力を養うことができる。

産業界の実情、会社の役割、エンジニアの役割、職業観

この講義は実際に産業界で活躍している講師の講義を聴くことにより技術者に要求される倫理を身に着け、また現場で様々な問題を解決する複眼的思考能力を養うものである。学科の学習教育目標A～Dとの対応：D

１時間程度の講義を聴いて、質疑応答後、15分程度でレポートをまとめる。

第１週 オリエンテーション
第２～9週 講演

講師ならびに講演内容の詳細については別途掲示する。

必要なことはこまめにメモをとる。また、講師に質問ができるように集中して講義を聞く。
講師の方は若者の将来のためにほとんどボランティア状態で時間と労力を割いてくださっている。受講する側は講師の方々のそのような努力に対して最大の敬意と尊敬を表現するべきである。決して失礼の無いように。
リアルな社会では、十分に準備された教科書も、模範解答もない生活が日常となる。その中でいかに多くを学び取るかは、「受講者」のアンテナの感度と努力に依存する。時は「今」しかなく、今をどれだけ「集中」して過ごせるか、集中をどれだけ「維持」できるかが良い仕事につながる。リアルな社会にこぎ出すまで、後２年もないのだから、今からその「態度を身につける」ようにされたい。

講師が所属する会社の概要をインターネット等で調べておく。関連する企業にどんな会社があるかについても調べておく。
自分が興味を持っているのはどんな業界なのか、また、それは何故なのかについて言葉で説明できるようにする。
１年をまたずに始まる「就職活動」において、「相手を知り」、「自分を知る」ことが最初に行なわなければならない基本となる。就職活動の予行演習もかねて、講師の会社、業界、職種を調べたり、その会社で講師と一緒に仕事をする場合の自分の人生をイメージしておく事は、講義を受けるのに役立つはずである。

目標に記載の項目についてレポートを課し、以下の基準を満たしたものを合格とする。

７名の講演の後に提出するレポートで評価し、平均６０点以上を合格とする。ただし、２回以上欠席した場合は評価の対象とならない

特定のテキストはありません。必要に応じて印刷物を配布します。

本講義により、これから学ぶ専門科目の位置づけが理解できるだけでなく、自分が将来働く時の職業観を育むことができるので、是非受講して欲しい。また、電気電子工学特別講義IIとは別の講師陣によるものなので、１年を通して履修して欲しい。

第1週のオリエンテーションの時にお知らせしますので、話をよく聞くようにすること。