【授業の目的】
前期の電子回路Iで学んだトランジスタ増幅回路の知識を基礎とし,応用的なアナログ回路の発展である集積基本電子回路に求められる「発想」を学び, 差動増幅回路,演算増幅回路,発振回路および変復調回路等について学習する。 アナログ回路の設計にあたって問題や課題を解決する専門的能力の向上のために, 複雑な回路の各部の役割を見抜く力を養う。様々な回路例を使って、それらが用いられる背景も学び、そういった技術的要請と半導体素子の電気的特性をどのように合致させていっているかを見て行く。
【授業の到達目標】
(1) 増幅回路の基本をトランジスタのエミッタ接地増幅回路から説明できる。 (2) 差動増幅回路などを回路図から見出して,説明できる。 (3) 演算増幅回路を理解し,設計できる。 (4) 各種発振方式の原理を説明し, 発振条件等を示すことができる。 (5) 各種変復調回路の動作原理を説明できる。 (6) 定電流源回路について理解し動作を説明できる。 (7) 集積回路の原理や特徴の概要を説明できる。
【授業概要(キーワード)】
直流電流源回路,差動増幅回路,集積基本回路,演算増幅回路,発振回路,変復調回路
【科目の位置付け】
電気電子工学科の学習・教育達成目標における専門知識と応用力に対応。
【授業計画】
・授業の方法
テキスト(アナログ電子回路)に添いながらも、適宜、それらの技術の背景を補足したり、これまでに習得してきた基礎(電気回路、電子物性、電子回路、半導体工学、集積回路など)、そして、現在履修中の科目(制御工学、情報通信、ディジタル回路など)との関連も合わせて学んで行く。
・日程
1. 授業内容の概要説明,電子回路の基本 2. 接合型トランジスタの動作/エミッタ接地小信号増幅回路の特性 3-6. 直流電流源回路,差動増幅器,高利得増幅回路,直流増幅回路,大信号増幅回路,集積回路の概要などの集積基本電子回路 7-8. 演算増幅回路の基礎と応用 9. 中間試験とまとめ 10-11 演算増幅回路の応用 12-13. 発振回路の種類/発振回路の基礎,各種発振回路 14. 変復調回路 15. 期末試験とまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
欠席をしないこと。分らない点は速やかに調べたり、質問して、早めに解決すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
普段から復習すること。適宜行う演習やレポートの課題に積極的に取り組み、分らない点は相談したり、質問したりすること。実力はぼんやりしていては身に付かない。
【成績の評価】
・基準
達成目標に記載の項目について試験を行い,基準を満たしたものを合格とする。
・方法
到達目標に記載の項目についてレポート等30点,中間試験35点,期末試験35点/の計100点で評価する。 2回の試験を必ず受け,60点以上を合格とする。ただし,授業を1/3以上欠席すると,原則,期末試験を受ける資格を失う。
【テキスト・参考書】
テキスト:藤井信生著「アナログ電子回路-集積回路化時代の-」オーム社 2,916円 (2016), 参 考 書 : 藤井信生著「アナログ電子回路の基礎」(ソフトカバー)オーム社 2,700円+税 (2016), 石田哲郎・清水東著「改訂 半導体素子」コロナ社 3,024円 (2016) 。 井上高宏 他 著「例題で学ぶ アナログ電子回路」森北出版株式会社 2,800円+税。
【その他】
・学生へのメッセージ
アナログ回路の講義は,電気回路や電子回路,半導体工学の基礎が理解されていることを前提としているので,履修しておくことが望ましい。授業でそれらの科目の内容が使われるので、授業開始前に電気回路および電子回路, 半導体工学関連の復習をしておくこと。自信が無い所は速やかに見直しておくこと。
・オフィス・アワー
横山(yoko@yz.yamagata-u.ac.jp) 11号館703号室.特に時間は設けないが必要がある場合は事前にアポイントメントをとってから直接教員研究室をたずねること
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