【授業の目的】
人間が自然に行っている判断や推論を計算機にさせようとすると,人間の思考過程そのものの考察と,それを工学的に実行するアルゴリズムの開発が必要となる.本講ではこれらの課題を,理論と方法論の観点から取り扱い,幅広い教養と専門分野の知識を習得することを目的とする.
【授業の到達目標】
(a) 問題解決の状態空間表現を理解し応用できること. (b) 探索法およびゲーム問題を理解し,αカット,βカットを実行できること. (c) 記号論理を理解し応用できること. (d) 遺伝的アルゴリズムを理解し,基本操作を実行できること (e) ニューラルネットワークを理解し,基本操作を実行できること (f) ファジィ理論を理解し,基本演算を実行できること
【授業概要(キーワード)】
問題解決,状態空間,探索,記号論理,遺伝的アルゴリズム,ニューラルネットワーク,ファジィ理論
【科目の位置付け】
知識情報処理の基礎となる科目:情報数学入門,情報数学I,情報数学II 関連科目:自然言語処理 学習・教育目標:学生便覧参照
【授業計画】
・授業の方法
授業では,受講者への設問を入れて時間内での理解を促す.また,適宜宿題や小テストを課し,受講者の理解を確認しながら進める.
・日程
01 問題解決の表現とモデル化(状態空間,作用素,制約,木構造) 02 系統的探索(縦型探索と横型探索) 03 発見的探索(ヒューリスティクス,山登り法) 04 問題分解法(AND/ORグラフ,ハノイの塔) 05 ゲーム問題の表現と解法(対戦ゲーム,αカット,βカット) 06 記号論理(命題論理,推論) 07 前半のまとめと中間試験 08 中間試験講評,最適化 09 遺伝的アルゴリズム(基本アルゴリズム) 10 遺伝的アルゴリズム(選択,交叉,突然変異) 11 ニューラルネットワーク(階層型ネットワークとパーセプトロン) 12 ニューラルネットワーク(相互結合型ネットワークと連想記憶) 13 ファジィ理論(多義的不確かさと概念的不確かさ,ファジィ集合) 14 ファジィ理論(ファジィ集合の演算,ファジィ論理,ファジィ推論) 15 後半のまとめと期末試験 (以上は計画であり,受講者の理解度等を鑑みて適宜修正を加える.)
【学習の方法】
・受講のあり方
講義開始時間を守ること.受講のマナーを守ること.受け身にならず主体的に勉強すること.特に,授業中の私語などの他の受講生への迷惑行為は固く禁じる.また,質問は随時受け付ける.
・授業時間外学習へのアドバイス
各課題について,自分ならどうやって解決するだろうと考えながら,講義で学ぶ解決法を理解すること. 講義で取ったノートを読み返し,理解できていない部分がないか確認する.授業で学んだことを,ペンを持ち紙の上に式や図を展開しながら解いてみること,さらには自分で問題を作って解くことを強く推奨する.
【成績の評価】
・基準
中間試験40点,期末試験40点,何度かの宿題と小テスト20点で合計100点.合計60点以上を合格とする. (状況により配分を変更する場合がある.)
・方法
中間試験と期末試験,宿題や小テストにより講義の目的が達成されたことを確認する.
【テキスト・参考書】
小林一郎: 人工知能の基礎,サイエンス社 2013年 (2,200円)
【その他】
・学生へのメッセージ
人間の思考の素晴らしさと,それを実現しようとするアプローチの面白さを味わってください.なお,受講者の理解度などに応じて講義内容・評価法等を修正する場合があります.
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、水曜日16:00-17:00、8号館307号室にて。
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