【授業の目的】
酵素は触媒として働くタンパク質の総称であり,生体内で起こる化学反応の多くは,酵素によって制御されている。酵素は,常温,常圧,中性付近で触媒として優れた機能を発揮することができ,これによって,生物は物質代謝やエネルギー生産が行なえる。酵素の機能を解明することは,生体内化学反応の理解にとどまらず,医学,食品,化学分野での利用につながる。この講義では,生物工学に必要な酵素学的基礎と酵素の応用例について理解して頂く。
【授業の到達目標】
酵素の生化学的な特徴および酵素を利用した物質生産と物質変換に関して説明できる。
【授業概要(キーワード)】
酵素,触媒機構,バイオセンサー,物質生産
【科目の位置付け】
バイオ化学系の学生は,習得することが望ましい科目です。またこの講義は,バイオ化学工学科の教育目標『B)専門知識の習得』に対応します。
【授業計画】
・授業の方法
90分間の講義を中心に行い、理解を助けるための演習や論議を交える。
・日程
1. 酵素研究の歴史 2. 酵素の構造 3. 酵素の種類① 4. 酵素の種類② 5. コファクターと作用機構 6. 金属イオンと酵素① 7. 金属イオンと酵素② 8. 酵素の触媒機構 9. 酵素の特性 10. 酵素の反応速度論① 11. 酵素の反応速度論② 12. 酵素の精製と分析 13. 物質生産への応用 14. 医療への応用 15. 期末試験と解説
【学習の方法】
・受講のあり方
授業は,予習を必ずしてきて受講することが基本です. 私語、飲食、喫煙、そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただき、欠席扱いとする。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前にテキストの該当箇所に目を通して自ら納得できるところ、また疑問点、わからないことなどを把握しておく。 わからない点は必ず自分でも考え直す、また友達に聞く、図書館で更に調べるなど解決する。未解決のまま翌日に持ち越さないように。
【成績の評価】
・基準
期末試験=50点、出席+課題レポート+小テスト=50点、合計100点満点として、60点以上を合格とする。
・方法
成績評価の必須条件として、出席2/3以上(遅刻は2回で欠席1回と見なす)、期末試験を必ず受験すること。課題レポート、小テスト、期末試験の結果をもとに、成績を評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト ・酵素 科学と工学 虎谷哲夫・北爪智哉・吉村徹・世良貴史・蒲池利章/著 講談社サイエンティフィック(3900円+税) 参考書 ・基礎生物無機化学 吉村悦郎/著 丸善出版(2800円+税)
【その他】
・学生へのメッセージ
生化学Ⅰ・Ⅱを履修していることが望ましい。 なお、講義で理解できなかった点や、疑問に思ったことは積極的に質問にくること。
・オフィス・アワー
川井:火曜日16:00~17:00, 3号館3-3302号室 矢野:火曜日17:00~18:00,3号館3-2102号室
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