デザイン演習
 Practis of Printing design
 担当教員:八木 文子(HUMIKO Yagi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:建築・デザイン学科  科目区分:専門教育科目 
【授業の目的】
・「孔版」を総称とする技法の種類と版構造を理解し、「デザイン」「工芸」「工業」の分野に関わりあう歴史的背景からスクリーンプリントを日常的かつ今日的役割として理解することを目的とする。
・技法演習を通して表現効果の特徴、制作プロセスを把握し、イメージを実生活に結びつける発想力を育むことを目的とする。
・スクリーンプリントの素材媒体(平面から立体)への可能性としての要素を理解し、造形表現に活かせる応用発想力を身につけることを目的とする。

【授業の到達目標】
・グラフィックデザインから、プロダクト、テキスタイルまで幅広く実用的な方面に利用される技術として理解できる。
・版表現としての広がりや日常商業的商品としての開発までの構想に展開できる。
・コマーシャリズムと密接に関わるポップアートに特有の色彩効果へのスクリーンプリントの有効性からマス・メディアへの影響、サブ・カルチャー、写真や映像表現との関連について理解できる。
・基本的なステンシルを経験し、ハンドクラフトとして応用できる。

【授業概要(キーワード)】
孔版、写真、ステンシル、合羽版、セリグラフィ、ポップアート

【科目の位置付け】
この授業は実習・演習を通して「デザイン理論と表現」の能力を培い、表現ジャンルの幅広い知識と技能を効果的且つ段階的に身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
スクリーンプリント技法の演習・講義の形式で、授業を実施する。
・日程
第1回:染色や商品のラベル、ポスター、看板など実用的に使用利用されるスクリーンプリントの活用範囲とポップアートのメディアとして典型である技法価値、及び写真画像をベースにした表現手段などを総合的に文脈から検証する。(講義)
第2回:合羽版(ステンシル)、謄写版(ミメオグラフ)、シルクスクリーンの大別と版の特性と利用可能性について検証する。(講義)
第3回:ステンシル技法①製版の種類、カッティング法、ブロッキング法、写真製版法の製版方法を学び、孔版の原点であるカッティング法によるステンシルでの紙媒体による技法演習を行う。色分解によるエスキース作成を行う。(演習)
第4回:ステンシル技法②色分解をもとにしたエスキースを型紙に転写し版下を作成する。(製版)(演習)
第5回:ステンシル技法③製版作業に必要な手順と見当の打ち方について演習する。(演習)
第6回:ステンシル技法④インクと刷りの方法について把握する。(演習)
第7回:ステンシル技法⑤多色刷りの方法について演習する。(演習)
第8回:スクリーンプリント①写真画像やコピーを用いた原画を使用し、ポジフィルムを作成する。(演習)
第9回:スクリーンプリント②版として使用するテトロンのメッシュによる選別と紗張りの技術を修得する。(演習)
第10回:スクリーンプリント③感光乳剤の塗布とフィルムの露光方法について演習する。メッシュと原稿と露光時間について把握する。(演習)
第11回:スクリーンプリント④試刷りとして紙媒体を使用、刷り台の使用、手順を演習する。(演習)
第12回:スクリーンプリント④本刷りとして布媒体を用いた日常品への刷りの手順を演習する。(演習)
第13回:スクリーンプリント⑤スクリーンプリントの応用として他素材を用いた支持体を使用する。(演習)
第14回:作家、作品を紹介し、鑑賞する。孔版の表現可能性について考察する。(講義)
第15回:全体講評会とまとめ。(講義)


【学習の方法】
・受講のあり方
積極的に版と関わり、意欲的に制作する。
疑問点は積極的に質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
画集、文献の活用。講義内容について復習し、理解できない点はインターネット等を用いて調べるなどすること。

【成績の評価】
・基準
・版構造と分脈理解、版表現の多様性と実践へ応用力、技術修得の総合的完成度、受講状況、制作態度を基準に評価します。
・方法
・ステンシル演習提出作品 50点
・シルクスクリーン演習提出作品 50点

【テキスト・参考書】
講義中に随時配布するので、担当教員の指示に従い講義に臨むこと。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義内容の理解が演習に生かされることが望ましい。知識と技術の横断的理解に努める。
・オフィス・アワー
月曜日11:00~12:00 ただし、他の時間を希望する場合は、本人
と相談の上別途時間を設けて、随時対応する

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