住まいと庭園
 Dwelling and Garden
 担当教員:佐藤 慎也(SATO Shinya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
主としてヨーロッパと日本の庭園の歴史や現状、公園の成立ちについて学び、人間生活、とりわけ住生活における庭園の役割について認識を深める。また、住環境と庭園の設計について考察を進める。
非生産的な土地利用である庭園は、経済的な視点からすれば、無駄な営みである。にもかかわらず庭園は古今東西にわたり広く営まれ現在に至っている。これは、庭園を持つことが、深く人間のありかたに関わっていることを示している。この授業では、庭園の歴史を辿ることにより、庭園のどのような側面が人々を魅了するのかを探り、庭園に関わる精神的、文化的要因の把握に努める。

【授業の到達目標】
庭園に関する精神的、文化的要因を学ぶ。庭園は住まいとどのように関わるものかを、多面的に考察するための土台作りをする。

【授業概要(キーワード)】
日本庭園、池庭、枯山水庭園、路地、坪庭、イタリア式庭園、サラセン式庭園、フランス式庭園、イングリッシュガーデン、ターシャデューダの庭園

【科目の位置付け】
外部空間である庭園と住まいとの関係を捉えることで、後期の景観設計で計画提案を行う際の知見となる。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式での授業とワークショップ形式による提案を行う部分とを織り交ぜながら展開する。
・日程
この授業では次のような項目を立てながら授業を進めていく。
第1回 住まいと庭園概論
第2回 西欧の庭園の歴史(1) 古代からルネサンス
第3回 西欧の庭園の歴史(2) 近代フランス
第4回 西欧の庭園の歴史(3) イギリス庭園
第5回 西欧の代表的な庭園論(1) 地中海へのあこがれと庭園論
第6回 西欧の代表的な庭園論(2) ジーキルの庭園論
第7回 日本の庭園の歴史と代表的庭園論(1) 古代の庭園
第8回 日本の庭園の歴史と代表的庭園論(2) 中世の庭園と仏教の世界観
第9回 日本の庭園の歴史と代表的庭園論(3) 近世の庭園と池泉回遊式庭園
第10回 西欧と日本における公園の歴史と現状について(1) 近代の都市公園と博覧会
第11回 西欧と日本における公園の歴史と現状について(2) オープンスペースとコモン
第12回 現代の西欧や日本の住まいと庭園(1) ターシャデューダの庭園論
第13回 現代の西欧や日本の住まいと庭園(2) イングリッシュガーデンと園芸
第14回 住まいと庭園デザイン(1) 庭園デザインの基礎
第15回 住まいと庭園デザイン(2) 庭園デザインの未来

【学習の方法】
・受講のあり方
扱う範囲が広いので、授業の度に要点をしっかりと整理すること。また庭園は我々の周囲に存在するものなので、日常生活において、意識的に観察する姿勢を持っていただきたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
折に触れ、次回の授業までに考えておくべきテーマを設定する。
整理しておくべき事項を教室で提示していきたい。

【成績の評価】
・基準
庭園に関する精神的、文化的要因について理解できること。庭園は住まいとどのように関わるものかを、多面的に考察するための土台作りができていること。
・方法
授業への取組み姿勢(20点)、レポート評価(40点)、プレゼンテーション評価(40点)

【テキスト・参考書】
テキスト 授業の進め方に沿ったプリントを配布する。
参考書  授業で提示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
庭づくりは癒しの場ともなり、現代社会の中では環境共生やサスティナビリティなどのキーワードとともに求められている要素の一つでもあります。ガーディニングの実践者となれるような気持ちで受講してみてください。
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、授業終了後、随時相談を受け付けます。
直接お問い合わせください。

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