地震工学
 Earthquake Engineering
 担当教員:源栄 正人(MOTOSAKA Masato)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:建築・デザイン学科  科目区分:専門教育科目 
【授業の目的】
国内外で過去に発生した被害地震による地震動と建物・地盤の特徴的な被害とその要因について解説する。また、建物の耐震設計の変遷についての解説とともに、既存不適格建物の耐震改修技術や最近の耐震・免制震技術について紹介する。地盤や建物の振動・波動の理論解析の基礎を学ぶとともに、常時微動観測や地震観測によるデータ取得・処理・分析について解説し、理論解析と実験観測の関係について理解する。

【授業の到達目標】
・地盤によって異なる地震動の性質や構造物の振動特性に関する基本を学ぶとともに、過去の被害地震における建物や地盤の被害の特徴と地震動と被害の関係について理解する。
・建築構造物の耐震設計の変遷と現状を学ぶとともに、既存不適格建物の耐震改修や最近の耐震・免制震技術について理解する。
・建物や地盤の観測データの取得・処理・分析の基礎について理解する。

【授業概要(キーワード)】
地震被害 地震動 観測 地盤 動的相互作用

【科目の位置付け】
一級・二級建築士受験資格取得のための選択推奨指定科目とする。

【授業計画】
・授業の方法
板書およびスライドを用いた講義形式であるが、地震被害や耐震技術の実例紹介を多用し、実践的な理解を図る。
・日程
第1回:ガイダンス~地震工学の意義~
第2回:国内外における被害地震の歴史
第3回:最近の被害地震における特徴的な建物被害
第4回:最近の被害地震における特徴的な地盤被害
第5回:地震と地盤~場所によって異なる地震時の揺れ(地震体験談を含む)
第6回:目で見る振動・波動~地震波の伝播、および、地盤の揺れと建物の揺れ
第7回:建物の地震対策 (I) ~耐震設計法の変遷
第8回:建物の地震対策(II)~最新の耐震技術&免・制震技術
第9回:地盤の地震対策~液状化対策&土砂災害対策
第10回:地盤環境と耐震診断・補強&建物立地
第11回:建物の振動解析の基礎理論(建物-地盤連成系も含む)
第12回:地盤の波動伝播解析の基礎理論(不整形地盤も含む)
第13回:地震計による振動観測の歴史と発展(地震観測・常時微動観測)
第14回:振動計測データの取得・処理・分析~構造ヘルスモニタリング
第15回:期末試験及び解説

【学習の方法】
・受講のあり方
建築物の地震被害を通して、建築構造設計や耐震技術を理解する上で重要な授業であるので、必ず出席すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布の資料に目を通し、前回講義内容の復習をしておくこと。
普段から身近な建築に応用されている耐震技術について観察し、その基礎理論について理解しようとすること。

【成績の評価】
・基準
地震工学に関する基本的な知識が身についているかどうか、出席状況、演習レポートや期末課題の内容によって評価する。
・方法
出席状況(40点)、演習問題の提出および期末レポートの結果(60点)で評価する。

【テキスト・参考書】
特にテキスト等は使用しない。毎回の講義で、授業資料を配布する。

【その他】
・学生へのメッセージ
建物の地震被害のメカニズムを理解し、より安全で安心な建物設計を可能にする技術や基礎理論について学習してください。
・オフィス・アワー
非常勤講師なので、講義時に対応する。
質問等がある場合は、授業終了後に直接お問い合わせください。

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