建築環境実験
 Experiments of Materials for Building Environment
 担当教員:日高 貴志夫(HIDAKA Kishio)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:実験
 開講対象:3年,4年  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
製図に描かれた建造物が強度的に実現可能か否が大きく問われるので、建築環境への理解を深めるため、我々にとって身近な建築材料に焦点を当てて検討し、強度評価を通じて、建築材料の基礎的知識を得る。

【授業の到達目標】
1)材料強度を理解できる
2)設計図のデザインを実現させるために必要な材料を、強度の点から説明できる。
3)材料強度を測る試験法について手順を作成できる

【授業概要(キーワード)】
ヤング率、剛性、引張強度、結晶構造、X線回折

【科目の位置付け】
この授業は、建築環境の観点から実験的に分析し、強度に対する解決策を提案する力を身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
1)シラバスに書かれた毎回の課題を順次取り上げる。
2)課題ごとの考え方、利点、弱点を質疑応答形式で進める。
3)各課題終了後に、レポートの提出を行う。
・日程
第1回:ガイダンス 
第2回:鋼の熱処理
第3回:旋盤加工:引張り試験片加工 (軟鋼、アルミ、ステンレス、およびガラス)
第4回:弾性率の測定(1):Ewing法(上記材料のたわみによる弾性率測定)
第5回:弾性率の測定(2):引張り試験法(上記材料の引張り伸びによる弾性率測定)
第6回:弾性・塑性の力学的解析(軟鋼の降伏点、0.1%および0.2%耐力、ガラスの完全弾性評価)
第7回:熱膨張測定(1):軟鋼およびガラス(湯温の上昇による熱膨張変化)
第8回:熱膨張測定(2):アルミおよびステンレス(湯温の上昇による熱膨張変化)
第9回:建築材料の微細組織観察:エメリー研磨(クラック等の研削露出法)
第10回:建築材料の微細組織観察:バフ研磨(クラック等のデコレーション法)
第11回:建築材料の微細組織観察:光学顕微鏡観察(クラック等の観察)
第12回:X線回折(1):シンチレーションカウンタ法(共材の非破壊検査法)
第13回:X線回折(2):イメージングプレート法(異材の非破壊検査法)
第14回:硬さ試験(1):(ブリネル試験を用いた非破壊検査法)
第15回:硬さ試験(2):(ビッカース試験を用いた非破壊検査法)

【学習の方法】
・受講のあり方
1)配布プリントで示される指示に従って手順を確認し、測定データを正確にノートに記録してまとめる。その過程での疑問も併せて記録し、再測定の際に反映させる。
2)実習にふさわしい服装、靴を用意し、指導員の指示に従う。常に当初の目的どおりに作業が行われているか確認しながら進める。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)各課題ごとのレポートは必ず提出すること。
2)与えられた課題に向けて、図書館やインターネットを活用し情報収集や事前学習を行い、自分の考えをまとめておくこと。

【成績の評価】
・基準
材料強度の基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
平常点20点+レポート80点=100点として成績の評価を行います。

【テキスト・参考書】
テキストはありませんが、必要に応じて配布プリントに参考図書を記載します。

【その他】
・学生へのメッセージ
1)高校では材料強度を学んでいませんが、だれでも理解できる説明を行います。
2)理系・文系の学生にも分かる内容です。
・オフィス・アワー
事業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を小白川キャンパス地教1号館日髙研究室にて水曜日12:00~13:00の間に設けます。都合がつかない場合は事前に予約をお願いします。連絡先は初回の授業でお知らせします。

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