物理学基礎
 Introduction to Physics
 担当教員:土浦 宏紀(TSUCHIURA Hiroki)
 担当教員の所属:工学部非常勤講師
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科、 化学・バイオ工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
工学の基礎である物理学への理解を深めるために,電磁気学の基礎、およびその理解に必要なベクトル解析について基本的な知識を得ることを目的とする.高等学校で物理を学んできた人も学ばなかった人もレベルアップできるように、授業は初級、中級の2クラスを開講する.中級クラスは実力向上を目指して比較的多くの物理現象を扱い、初級クラスは基礎力の充実を目指して扱う物理現象を絞り込み、高校「物理」を学ばなかった学生にも 理解できるように丁寧に説明する。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は,(1) 静電磁気学に必要なベクトル解析を用いて、計算や式の変形ができる.(2) 真空中の静電場(電界)に関して、クーロンの法則、点電荷および電気双極子が作る電場を計算できる.(3) ガウスの法則の意味を理解し、電場が計算できる.

【授業概要(キーワード)】
ベクトル,スカラー,ベクトル場,スカラー場,電荷,電場(電界),電気双極子,クーロンの法則,ガウスの法則

【科目の位置付け】
基盤教育科目「力学の基礎(物理学)」,専門教育科目「物理学基礎」,「物理学I」,「物理学II」の4科目を学ぶことによって,体系化された物理学を理解できるようになっている。

【授業計画】
・授業の方法
この授業は初級(55004)、中級(55050)の2クラス開講とする.この中級クラスでは実力向上を目指して比較的多くの演習問題を扱う。尚、講義で取扱う物理現象は2クラスとも共通であり,中間・期末試験内容および成績評価基準も同一である.
・日程
1. はじめに(電磁気現象について)
2. ベクトル量とスカラー量,ベクトルの成分,表示方法,単位ベクトル
3. ベクトルの内積とその意味・性質
4. ベクトルの外積とその意味・性質
5. ベクトルの内積と外積を用いた応用問題
6. ベクトル場とその表示方法
7. 中間試験とその解説
8. 真空中の静電場,クーロンの法則とそのベクトル表示
9. 点電荷による電場とそのベクトル表示
10. 電気双極子による電場の導出
11. 電気双極子による電場の計算とベクトル表示
12. 電気力線とガウスの法則
13. ガウスの法則の物理的意味
14. ガウスの法則を用いた電場の計算
15. 期末試験とその解説

【学習の方法】
・受講のあり方
教科書を用いて、その例題や演習問題を解きながら物理法則への理解を深める。演習問題の解答をミニッツペーパーに記入して講義終了時に提出する。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業で扱った例題や演習問題の内容を完全に理解できるように復習する.更に,テキスト章末にある演習問題を自力で解いて理解度を深める.

【成績の評価】
・基準
クーロンの法則やガウスの法則を用いて、基本的な電荷配置の場合について、その電場ベクトルの大きさや向きを正しく計算できることを合格の基準とする。
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験を行ない,以下の基準を満足したものを合格とする.中間試験40点,期末試験60点の合計100点満点で,60点以上を単位認定する

【テキスト・参考書】
テキスト:「よくわかる電磁気学」宮﨑 照宣,加藤 宏朗 著 (日刊工業新聞社)

【その他】
・学生へのメッセージ
これまでに学習してきた物理学や数学の基礎知識が全て関係してくる.電磁気学で扱う物理量の多くはベクトルである.ベクトルの概念に触れ,その計算法の修得を通じて電磁気現象を理解して欲しい.テキスト各章の章末にある演習問題に自主的に取り組むことが望ましい.
・オフィス・アワー
質問などがある場合は,講義終了後に直接問い合わせてください.

50000110-2019-05-55050