技術者倫理(社会と倫理)(高分子・有機材料)
 Engineering Ethics
 担当教員:宍戸 道明(SHISHIDO Michiaki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門科目・必修 
【授業の目的】
技術は経済成長とともに高度化、複雑化、多様化を加速しているが、同時に事故、環境破壊をはじめ、ひいては人命に関わる惨事も多発している。これらの背景を技術者の倫理的側面からみると、未然に防げたケースが多い。何故技術者に倫理が必要なのか、といった問いに、その重要性や社会的背景を説く。
本科目は、高い技能と知識を持つ専門家が当然有すべき特有の倫理について、歴史や多くの事例および先輩技術者より学び、自発的に「専門職業人」としてのあり方を学ぶ。技術者として身につけるべき社会的規範や、組織として遵守すべき法律、道徳、倫理観について理解を深める。

【授業の到達目標】
《行為目標》
・技術者倫理に関する専門的な用語や理論を理解し,説明できる。
・技術者倫理に関する法規制や知的財産権などの枠組みを理解し,説明できる。
・エンジニアとしての倫理観の涵養を図り,社会におけるエンジニアの責任を理解し説明できる。
《成果目標》
・「成果物」や「行為者」によって様々な側面に与える影響を考慮するとともに、俯瞰的な視野から“技術者”としての責任を自覚し、倫理的判断能力を備え、将来の実際の行動へ移せるようになること目指す。

【授業概要(キーワード)】
社会的責任、道徳、倫理観、リスク、トレードオフ、プロフェッショナル、コンプライアンス

【科目の位置付け】
この科目は、高分子・有機材料工学科では、ディプロマポリシーの「1(1)健全な価値観と技術者倫理観を身につけている。」に相当する。

【授業計画】
・授業の方法
90分の講義を15回行う。このうち講義は2/3とし、1/3は参加体験型(グループワーク、演習、討論など)で行う。
・日程
第1週 はじめに(授業の進め方、イントロダクション),なぜ技術者倫理なのか
第2週 Engineerの役割(課題と責任)
第3週 リスクとトレードオフ
第4週 唯一解の不存在・価値対立・決議論
第5週 社会と応用倫理
第6週 振り返りと小テスト①
第7週 倫理の法体系および倫理綱領
第8週 製造物責任と知的財産権
第9週 内部告発と告発者の保護
第10週 ハラスメントの定義とその防止
第11週 振り返りと小テスト②
第12週 事例に学ぶ(1) テクノロジーアセスメント,失敗学の教訓
第13週 事例に学ぶ(2) 歴史,先人に学ぶ
第14週 事例に学ぶ(3) 山形県内(歴史,環境,風土,技術)におけるケーススタディ
第15週 科目の総括,レポートの説明,おわりに

【学習の方法】
・受講のあり方
全講義の受講を必須とする。本講義内容の本質や性格上、受講態度や姿勢を最重要視する。
真剣にのぞむ他の受講生に失礼となる態度(私語、飲食など)は即時退出を命じ、評価に相応のペナルティを課す。
遅刻・欠席は、情状酌量の余地のあるものに限り、課題を与えレポート提出を求める。
・授業時間外学習へのアドバイス
身近な事例に「技術者倫理」に関わる事例を探り、問題点について当事者の立場から考察する。
キーワードや、理解しにくかった部分について反復して理解を深める。
技術者としての見地から、メディアの様々な事例を通し考察する。

【成績の評価】
・基準
下記基準に基づいて評価する。
《行為目標》
・技術者倫理に関する専門的な用語や理論を理解し,説明できる。
・技術者倫理に関する法規制や知的財産権などの枠組みを理解し,説明できる。
・エンジニアとしての倫理観の涵養を図り,社会におけるエンジニアの責任を理解し説明できる。
《成果目標》
・「成果物」や「行為者」によって様々な側面に与える影響を考慮するとともに、俯瞰的な視野から“技術者”としての責任を自覚し、倫理的判断能力を備え、将来の実際の行動へ移せるようになることを目指す。
・方法
小テスト(個人ワーク、グループワーク、受講態度なども含む)・・・(50点)
期末のレポート・・・(50点)
合計100点満点中、60点を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:必要に応じ、講義前に適宜配布する。
参考書:必要に応じ、講義中に紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
社会へ巣立つにあたり,技術者としての倫理観は工学技術・知識以前に最低限具備すべき資質です。
技術者倫理は、実際を考えた場合、回答のない学問と言っても過言ではありません。
自らが能動的に問題に向き合い、“考える”ことが第一です。これが実践的かつ即戦知識として役に立ちます。
裾野が広い学問のため、参考書類に載っていない言葉が出ます。まずはノートを取り、じっくり理解することを勧めます。
・オフィス・アワー
別途講義の際に案内する。なお、下記学内教員を通じて、質問等を受け付けることもできる。
東原:thigashihara@yz.yamagata-u.ac.jp 電話:0238-26-3845 居所:10-404
(メールまたは電話にてアポイントをください。)

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