認知心理学特殊講義
 Topics on Cognitive Psychology
 担当教員:大杉 尚之(OSUGI Takayuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人間の行動、意思決定を支える「コミュニケーション機能」について取り上げ、人間が自覚的、無自覚的にどのように他者,モノ,環境から情報を抽出しているかについて学習する。この授業では、「コミュニケーション」をキーワードにして認知心理学、認知科学、社会認知心理学、認知工学などの様々なテーマを取り上げ、重要な情報を抽出するプロセスについて理解を深めることを目標とする。

【授業の到達目標】
(1) 人間のコミュニケーション機能についての理論的枠組みについて説明することができる。
(2) 潜在的認知過程と顕在的認知過程の2側面から人間の行動を解釈することができる。
(3) 現実社会の問題について、隣接領域の視点を考慮しながら、認知心理学的視点で討議することができる。

【授業概要(キーワード)】
認知と行動,認識と知識,情報処理,心理

【科目の位置付け】
この授業は,人文学の領域(認知情報科学)の専門知を体型的に修得するために編成される専門展開科目である。

【授業計画】
・授業の方法
認知心理学とコミュニケーションに関する様々なトピック(第2回 コミュニケーションとメンタルモデル,対面コミュニケーション,メディアコミュニケーション,ヒューマンインターフェース,視覚の計算,感性と美,超高速な認知,意識と気づき,人工知能,認知と環境,アフォーダンスと身体化,言語の理解と状況モデル,安全と安心の認知)の内容について議論します。
・日程
第1回 ガイダンス
第2回 コミュニケーションとメンタルモデル
第3回 対面コミュニケーション
第4回 メディアコミュニケーション
第5回 ヒューマンインターフェース
第6回 視覚の計算
第7回 感性と美
第8回 超高速な認知
第9回 意識と気づき
第10回 人工知能
第11回 認知と環境
第12回 アフォーダンスと身体化
第13回 言語の理解と状況モデル
第14回 安全と安心の認知
第15回 学期末テストと全体のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義はバラバラのテーマを取り上げているようでも,一連の流れと積み重ねがあります。基本的に毎回の授業を聞かなければ,本来の目的に到達することは困難であると考えてください。また,授業の最後に小テスト(授業の到達目標(3)に関連)を実施します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
次回のテーマは予告しますので,参考書にあたるなどあらかじめ問題意識をもって授業に臨むと得られるものも大きくなります。講義ですべての疑問を解くことはできません。すぐに自ら調べ,知識を確実なものとする習慣を身につけましょう。また講義資料はウェブシステム上で公開しますので復習に役立ててください。

【成績の評価】
・基準
学期末のテストにより,授業の到達目標(1)と(2)を,小テストにより授業の到達目標(3)を評価します。毎回の小テストでは「主体的な参加の度合い」と「知識の習得の度合い」を評価します。学期末のテストでは認知心理学の知識に加えて,より深い「理解の度合い」,または論理的思考力,文章表現力などの汎用的技能の習得の度合いを評価します。具体的には,用語の意味と理論的枠組みについて正しく理解し,人間の行動について理路整然と論述するスキル,また認知心理学の知識を現実社会の問題にまで応用して考えるスキルが習得できた場合に合格基準を満たします。
・方法
小テスト(28)点(2点*14回)
学期末のテスト(72)点

【テキスト・参考書】
参考書
(1) 松尾太加志(1999) コミュニケーションの心理学 ナカニシヤ出版 2500円
(2) D. A. ノーマン (著),‎ 岡本明 (翻訳),‎ 安村通晃 (翻訳),‎ 伊賀聡一郎 (翻訳),‎ 野島久雄 (翻訳) (2015) 誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論 新曜社 3500円
(3) 三浦佳世(2016) 感性認知 アイステーシスの心理学 北大路書房 3400円
(4) 河原純一郎・横澤一彦(2015) 注意 選択と統合 勁草書房 3500円
(5) 小高知宏(2015) 人工知能入門 共立出版 2300円 

【その他】
・学生へのメッセージ
認知情報科学プログラムに所属する学生は本科目を受講してください
・オフィス・アワー
月・火曜日 10:00~13:00 大杉研究室(人文2号館4階)


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