渋沢栄一から見た明治社会(共生を考える)
 Meiji society from the perspective of Eiichi Shibusawa (Living with Diversity)
 担当教員:小幡 圭祐(OBATA Keisuke)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、2024年に発行される予定の一万円札の肖像にも選ばれた渋沢栄一(1840~1931)を皆さんはご存知でしょうか。本授業では、一般にはあまり知られていない渋沢の政府官僚時代の活動を中心に、彼が現代社会の直接的起源である明治社会の形成にどのような役割を果たしたのかを、衣食住などの生活に根ざした文化や、ごく普通の人々が生きた社会の動向から学ぶとともに、歴史的な視点から現代のさまざまな問題を考えるための構えを養うことを目的とします。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
1)明治時代の文化・社会の特徴を説明できる【知識・理解】
2)渋沢栄一の活動が明治社会の形成に果たした役割を歴史的な経緯を踏まえて考察することができる【態度・習慣】
3)得られた知識・態度を基礎に、自身の考えを文章に表現することができる【技能】

【授業概要(キーワード)】
明治時代,日本近代史,渋沢栄一,文化史,社会史

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
この授業は、人物・文化・社会などさまざまな視点から歴史を捉えることを通じて、多面的に物事を捉え自発的に考える力や、論理的な思考力・記述力を養うことを目的とする、工学部システム創成工学科の基盤共通教育科目(基幹科目)です(システム創成工学科のディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
この授業はオンデマンド型遠隔授業です。授業時間までにWebClassにレジュメ(PDF)と授業動画(YouTube)のURLをアップしますので、レジュメをもとに授業動画を聴講してください。聴講終了後、WebClassを通じて授業のコメント(感想・質問)を提出してもらいます。質問については、次の授業の授業資料として配付・共有するとともに、授業動画の冒頭でも紹介し、応答を行います。
・日程
第1回 ガイダンス 文化と社会から見た歴史 / 第2回 明治の文化① 「明治」とは? / 第3回 明治の文化② 「富国」を目指して / 第4回 明治の文化③ 衣 / 第5回 明治の文化④ 食 / 第6回 明治の文化⑤ 住 / 第7回 明治の文化⑥ 時間 / 第8回 明治の文化⑦ 健康 / 第9回 明治の社会① 「富国」の光と影 / 第10回 明治の社会② 都市貧困者の衣食住 / 第11回 明治の社会③ 貧困者救済の制度 / 第12回 明治の社会④ 政府の掲げる国民像 / 第13回 明治の社会⑤ 頑張る国民 / 第14回 明治の社会⑥ 女性にとっての明治時代 / 第15回 明治の社会⑦ 男性にとっての明治時代

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義で取り上げた内容を丸暗記する必要は全くありません。渋沢がどのようなことを考えて活動しているのか、明治時代の文化・社会の特徴は何かを自分なりに考えながら、明治時代と現代の文化・社会の違いやつながりを意識しながら授業を聴講しましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)準備学修に必要な学修時間の目安は 4.5時間/週 です。
※大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。
2)第9回~第15回の授業については、テキストの第1章~第7章の章構成に準じた授業を行うので、該当部分をあらかじめ読むことを推奨します。
3)また、参考書や授業のなかで紹介した文献に目を通すことで、授業で扱った事柄に対する知識をさらに深めることができます。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した3つの目標に対応し、下記の3つの条件を満たすことを合格の基準とします。
1)明治時代の文化・社会の特徴を説明できる。
2)渋沢栄一の活動が明治社会の形成に果たした役割を、歴史的な経緯を踏まえて論理的に説明できる。
3)講義に積極的に参加し、自発的に意見・問いを発し問題解決に結びつけることができる。
・方法
授業参加(45点)=各回の授業の最後にコメントの提出を求め、その内容から授業への参加姿勢を評価します(1回の授業につき3点)。コメントに何も記入しなかったり(「特になし」も含む)、コメントの記述が当日の授業を踏まえたものでなかった場合は点数を与えることができません。
期末レポート(55点)=授業内容にもとづくレポートを課します。レポートの課題は初回の授業で示します。

【テキスト・参考書】
テキスト:松沢裕作『生きづらい明治社会』(岩波書店、2018年)800円+税
参考書:『国史大辞典』全15巻17冊(吉川弘文館、1979~1997年)https://japanknowledge.com/library/
→歴史学では定評のある辞典。人物・事項などがある場合に参照してください。上記のURLからキーワード検索が可能です(同時2アクセス)。
『日本近代の歴史』全6巻(吉川弘文館、2016~2017年)
 ①奥田晴樹『維新と開化』(吉川弘文館、2016年)https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000034402
 ②大日方純夫『「主権国家」成立の内と外』(吉川弘文館、2016年)https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000036332
 ③飯塚一幸『日清・日露戦争と帝国日本』(吉川弘文館、2016年)https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000040160
→明治時代についてより詳しく知りたい方は参照してください。上記のURLから電子ブックが閲覧可能です(同時3アクセス)。
※学外からもアクセス可能ですが、ID・パスワードが必要です(https://www.lib.yamagata-u.ac.jp/yttop/e-resource_guide/authentication/)。

【その他】
・学生へのメッセージ
高校で日本史を学んでいない学生にも理解できる講義を目指します。高校の日本史を学んだ学生も、自身が持っている明治時代のイメージを見直す良い機会になるのではないかと思います。
・オフィス・アワー
WebClassやメールを通じて連絡をいただければ、zoomなどでの面談も可能です。連絡先は初回授業時にお知らせします。

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