FDネットワーク“つばさ”シンポジウム及び学生FD会議開催
FDネットワーク“つばさ”では、11月29日(土)に山形市中央公民館において、「FDネットワーク“つばさ”シンポジウム及び学生FD会議」を開催いたしました。参加数は、37校90名(教職員58名、学生32名)、うち、つばさ加盟校からは22校68名(教職員38名、学生30名)となりました。
シンポジウム及び学生FD会議は次のように進められました。
(1) シンポジウム(13:30〜15:00)
講演者:橋本勝氏(岡山大学教育開発センター教授)
演題:「学生参画型の教育改善:挑戦から定着へ」
(2) 学生FD会議(15:10〜17:10)
テーマ:「学生の連携による大学の改善」
参加校の学生による話し合い
(3) 懇親会(交流会)(17:30〜)
■当日の様子
1.シンポジウム
シンポジウムでは、岡山大学の橋本勝先生より、「学生参画型の教育改善:挑戦から定着へ」と題してご講演を頂きました。
「FD」という言葉の意味が、いつの間にか授業内容・方法の改善に限定されてしまっていることについて、素朴な問題提起が成されました。
その上で、岡山大学では、「学生参画の素地を醸成してきた」との旨、ご紹介がありました。それは2点に配慮してきたとのことでした。
・教員だけでFDでは限界がある
・学生の発想の方がより的を得ている場合がある
そして、岡山大学がFD活動を今日まで進めるためにあたって心がけたポイントとして次の3点をあげられました。
(1)一般教員を「はっ」とさせる経験
(2)機が熟すのを待つ
(3)抵抗勢力を抑える仕掛け等
岡山大学が、今日までのFD活動を持続にしてきたポイントをについて映像を交えてご紹介いただきました。
また、会場から、「抵抗勢力についてどう対応したらいいのか」というご質問に際して、「そういう方にこそ、『では、ちょっと一緒にやってみましょう』」と誘ってみることがポイントです」とのヒントを頂きました。
2.学生FD会議
学生FD会議では、まず、“つばさ”加盟校の学生がそれぞれ、自己紹介、自校の紹介、自校の良い所の紹介を行いました。その後、さまざまな大学棟の学生でグループを編成し、「自分の大学の改善すべき所」というテーマで、5グループに分かれてディスカッションを行いました。
そして、最後に各グループで議論された意見の全体発表を行いました。
FDネットワーク“つばさ”加盟校の学生は、それぞれ規模も、専門も違います。それを踏まえてのディスカッションが闊達に行われました。
学生からの発表は、学費はどう使われているのか、というコストパフォーマンスの問題から、建物などの設備、さらには、広告戦略のあり方まで多岐に渡りました。
また、教員だけが授業を改善しようとしているだけでは、大学は良くならず、学生が大学を良くしようという姿勢で臨まなければ、大学を良くする、という試みは成功しないのではないか、そういった意見交換を出来る場を作るべきではないか、という意見も発表されました。
3.懇親会
懇親会では、他大学の学生同士だけではなく、学生と他大学の教職員との交流もみられました。また、教職員間の交流も、“つばさ”加盟校間の交流だけでなく、加盟校と加盟校以外の間での交流も見られました。
他大学の学生同士、また教職員と学生が出会い、大学の改善に資する忌憚のない意見を交流する希有な場が、FDネットワーク“つばさ”という土壌を得て、芽生え始める気配が懇親会を通じて見受けられました。 |