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 帝京平成大学 :丸山 陽介 


専門教育へのスムーズな移行を目指した「基礎医療用語集」

私が所属する健康医療スポーツ学部は千葉キャンパスにあり、理学療法・作業療法・柔道整復・看護・医療スポーツ学科の5学科から成る。 理学療法学科は担任制をとっているが1年生を担任する際に悩むことがある。それは、理学療法士への夢を持って入学した学生の最初の壁とも言える専門教育の入口 −すなわち、 一階屋である医療用語、二階屋の理学療法に関わる専門用語である。私も二十数年前に入学した養成校での記憶が残っているが、いきなり解剖学や生理学・運動学の講義で「○○骨」、 「○○筋」…と一気に専門教育が開始され、目が点になり、覚えることだらけ、高校の知識も使えない、医療用語も分からない、説明も分からない、ギブアップ状態で困惑した。 その時は「そういうものだ!」と自身に言い聞かせていた。

それは脈々と現在も続き、当学科だけでなく専門教育機関共通の問題ではないだろうか?そんな中、当学部で効果的な取り組みがあるので報告させて頂く。 従来、入学前教育として入学手続きが終了した新入学生へ教育関連業者作成の生物・物理等の教科を選定し送付しているが、 更なる円滑な講義への導入を目指して「基礎医療用語集」を作成(2015年)し活用していることである。用語は学部統一を目指し、選定には各教員が学科において、 入学後の講義において頻回に耳にするであろう語句(400語:教養100、基本100、専門200)を選択。教員が講義で使用する用語を抽出したため必ず講義で使用され、 用語数は高校生が自力で達成可能な範囲となっている。しかし、高校では出てこない新たな用語であるために覚えるのに時間がかかり、どの程度、学習をしているか把握できない等の心配もでてくるが、 対策も万全で「基礎医療用語集」は学習支援システム上にアップされ、PC・スマホで継続学習が可能で到達テストにより習熟度も把握できる。学生の評価は「講義で出てきて分かりやすかった」 「いつでもどこでも利用できるので便利」等のプラスの声が多く、また一定の教育効果も報告されている。

最後に私事ですが、専門教育へのスムーズな移行がなされた後、託されたバトンをどのように展開し、 専門知識を伝え、やりがいを伝え、社会に送り出すか、「そういうものだ!」と従来の方法に固執せず、新しい手法を取り入れ日々前進したい。





   
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