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 群馬パース大学保健科学部放射線学科 :渡邉 浩 


学内実習への取り組み

 本大学(学科)は国家資格である「診療放射線技師」の養成校です。したがって、診療放射線技師資格を取得するために必要な専門科目が多数あり、 学外(臨床病院)実習の前に学内での実習が組まれていることが本学の特徴の一つです。私の専門は診療放射線技師が担当する放射線検査の一つである「核医学」です。 核医学検査では放射性同位元素(RI)を体内に投与し、臓器の機能や病態を知ることができます。

 さて、本学で私が担当している「核医学検査技術学実習」では、核医学検査データを基にエクセルの使い方を学びますが、 これはグループワークで行いますのでコミュニケーション力も培われます。また、論文が投稿されてから査読を経て掲載されるまでの流れを疑似体験することも行っています。

 核医学は放射線を放出するRIを使用するため、法律で環境の放射線量や放射線業務を行う医療従事者の線量限度が決められており、 これらを守らなければなりません。それを学ぶために、環境線量や医療従事者の被ばく線量をエクセルの簡単な表計算でできるようにします。 この科目は3年次の後期に開設していますが、卒業研究を前にしてエクセルくらい使えるようにとも考えてのことです。

 この実習では1グループ4〜5名に分かれ、メンバーで助け合いながら作業します。同じ設定で作業するので、 一人ひとりの学生がどこまで出来ているかどこでつまずいているかが一目で分かります。エクセルを使いこなしている学生もいれば時間のかかる学生もいます。 出来ている学生には出来ていない学生をサポートするように、つまずいている学生には出来ていないことを明らかにして助けを求めるように促しています。 将来、学生は診療放射線技師として医療(病院)の中で働きます。このときに、特に近年の医療では、診療放射線技師同士や他の医療従事者と積極的に協力、連携することが求められています。 いわゆる「チーム医療」です。日本人はシャイな人が多い?ですが、患者さんの医療安全がかかっていますので「シャイだから話せない」というわけにはいきません。 コミュニケーション能力を高める必要があります。そのため、この実習では最初に白板に「コミュニケーション」と書いて、積極的にコミュニケーションを図るように促しています。 教員である私は積極的に介入しないよう心がけています。動けないでいる学生は自ら他の学生にサポートを求めるようになります。 また、コミュニケーションがあまり得意ではない学生でも仲間に声をかけるようになってきます。他の学生をサポートした学生は自分が仲間の作業に貢献出来てうれしそうな表情をすることがあります。 教員になって良かった、と心から思える瞬間です。

 学内実習の一部を紹介させていただきました。皆様の参考になりましたら幸いです。


   
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