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 帝京平成大学 :FD委員会委員長/教育開発・学修支援機構長 市川 毅 


オンデマンド授業 −やってみてはじめて気づく課題−

 新年度のFD委員会で、「週間・授業改善エッセイ」の執筆者について協議した。 結局、その場では結論が出ず、期日を限って執筆者を募るということになった。 だが、残念ながらこの新型コロナウイルス感染症拡大という未曾有の状況下、多くの教員が慣れないオンライン授業のコンテンツ作りに勤しむ日々。 立候補者は出なかった。 このようなとき責任を取るのは、本件を起案した委員会の責任者、ということで委員長の私が執筆することとなった。

 ふりかえれば、平成29年度第5回の当コーナーに、私は寄稿したことがある。 それをこの機会に改めて読み直した。 内容は、本学におけるFD活動の主要な柱の一つである「ICTを活用した授業の推進」の現状を、自分自身の体験を交えて紹介したものであった。

 当時、すでに本学の教育環境のインフラ的存在となりつつあったmanaba(注)に言及したが、それが巡り巡って、現在のオンライン授業のプラットフォームとなっている。 何かの因縁であろうか。 このシステムには専用の1対1のチャット機能はないが、ひとたびレポート課題等を提出すると、それが起点となって一種の掲示板(スレッド)が立ち上がり、提出物やそれに付されたコメントに対して、さらにコメントを返すことができる。 しかも、メンバーは課題提出者の学生と担当教員の2人に限定することができる。 まさにSNSのPC版である。

 私はこの機能を利用して、学生と1対1のコミュニケーションをおこなっている。 名付けて「バーチャル面談室」。 学生には、個別の質問や相談はこの「バーチャル面談室」に書くよう呼びかけた。 だが、そうしたらもう逃げられない。 学生からすれば、書いたらすぐ返事が来ると期待してしまう。 教員は、定期的に書き込みがあるかチェックする必要がある。 幸い、Webブラウザで自動巡回するプログラム(JavaScript)を作ったことがあって、それをリメイクして1日に数回は「バーチャル面談室」への書き込みをチェックしている。 オンライン授業、ことにオンデマンド形式の場合、質問への応答は、即日とはいわなくても可能な限り早い方がよい。 ということで、授業時間内に教え、質問に答え、1週間のインターバルをおいてまた授業という従来型のサイクルとは異なり、気がつけば毎日が授業というユビキタス的状況になってきている。 〈新しい生活様式?〉がここにも及んできているのだ。 とはいえ、この問題については、無い知恵を絞り、効果的かつ省エネ的な方法を何とか編み出していかねばなるまい。

 注 manaba − 正式名称は manaba course2 。株式会社朝日ネットの提供するクラウド型教育支援サービス。


   
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