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 東日本国際大学 :関沢 和泉 


「ネットワークの上の隣」

 高校から大学に入ってきたばかりの学生たちにとって、個人差はあるにせよ、カリキュラムに沿いつつ自分での学修を組み立てていく大学での履修登録は意外とハードルの高いものである。 そこで、例年であれば、オリエンテーションや初年次ゼミでの指導を通じ、大学における単位制度の仕組みの説明からはじまり、オンラインの履修登録システムの実際の操作まで、教職員が共に歩んでいくことになる。 無論、学生たちは、部活やサークルで先輩との繋がりがあればそうした繋がりを通じた助けを得ることも出来る。 また、同じ年に入学した学生同士、偶然教室で近くに座った繋がりから助けを得ることもあるだろう。

 では、年度の初めからオンライン授業が開始される際に、初年次の学生たちはどうすれば良いのか。 幸運にも上の学年や同じ学年に知り合いがいる場合を除いて、オリエンテーションだけで以上の困難の前に放り出されることになる。 では、まずオリエンテーションを動画で提供しよう。 単に資料の PDF を配布するだけでなく。 初年次ゼミではウェブ会議システム等を利用して、対話をしながら説明をしよう。 さらに履修登録状況を確認して、必修等との関係で修正の必要がある場合など、積極的に指導していこう。 しかし、それで十分だろうか。 隣にいる学生の行動を見て、話を聞いて、学生同士で大学での学修の仕組みを理解していき、大学での学修者のコミュニティへと入っていくプロセス抜きで、普段と同じ場所までたどり着けるだろうか。

 東日本国際大学では、そこで、上級生たちに呼びかけ、普段であれば物理的な隣同士で成立する語り合える場を、ネットワーク上に作る試みに協力してもらった。 例えば、オンライン履修登録には確実さからPCの利用を勧めているが、学生には自宅/下宿に利用できるPCがないこともある。 ではスマートフォンを利用した履修登録をするとどのような困難があるのか。 上級生たちとウェブ会議システムで接続し、実際にスマートフォンを操作してもらい(自宅/下宿で)、その画面を共有・ライブ配信し(そうした場には彼らの方が慣れている)、アドバイスをしてもらう(彼ら自身の視点で)。 時に教職員が必要な補足をしながら、しかし学生自身の経験に基づいた助言を中心に、さまざまな点についてライブ配信で共有することで、具体的なノウハウの発信だけでなく、ネットワーク上に仮想の隣を形成していく。 まだまだ試行錯誤ではあったが、2020年の春はこのように始まっていった。


   
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