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札幌大学・札幌大学女子短期大学部  梶浦 桂司
(札幌大学FD推進委員会委員長)

 私がFDという言葉を初めて聞いたのは、本学で教務委員をしている時でした。その時、このFD活動が、大学に対して義務化されることになろうとは…。まったく考えてもみませんでした。
 本学では、2003年前期から「授業評価アンケート」が実施されましたが、私が所属する法学部では、全学で実施されるアンケートフォーマットが適切ではないということで、学部独自のフォーマットを作るべく1年間議論をして学部オリジナルのアンケートフォーマットを作成し、2004年から学部独自アンケートを実施していました。
 私は、2000年に本学に着任しましたが、自分の思いとは別に幸か不幸か学生たちからの授業に対する評価は比較的好評でした。大学の教員となってからは、授業のことについてそれほど意識することはありませんでした。しかし、学生たちからの多くの教員の授業他に関する意見を聞くにつれて、多くの大学教員は、授業をするという経験を大学の教員になって初めて経験しており、授業のやり方などは、自分が学生時代に学生という立場で経験したことがベースになっているにすぎないということに気付きました。
 自分を振り返ってみると、私は、博士後期課程に在学中にとある専門学校でバイトを始めました。教壇に立つことを前提にまずは私が担当する科目の「課」内部での模擬講義を行い、当該専門学校のすべての課の専任教員の前でやる模擬講義に備えて黒板の使い方や、アイコンタクト、話し方などを数カ月間にわたって叩き込まれ、その後、全体の模擬講義に臨みました。それでも、模擬講義後の各専任教員のコメントでは、「声が小さい」とか「黒板の使い方を工夫すべき」とか、「教壇での立ち振舞いをもう少し見せるようにしなければ…」などなど様々でした(結果としては、教壇に立つことを許されましたが…)。
 今、昨年度から本学のFD活動に携わるようになり、各大学の活動内容などを調べる機会が非常に増えました。私が、専門学校の非常勤講師となるために言われたようなことが、現在では、例えば名古屋大学の「成長するチップス先生」の「5章 魅力ある授業を演出する」の中で説明されている、とりわけ「5.2 俳優としての教師」において書かれているようなことは、私が10数年前に専門学校の非常勤講師として教壇に立つに当たって叩き込まれてきたことで、私が講義をするに際しては、いたって普通のことが(今現在どこまでできているかは別として…)、FD活動が進んでいる、と言われる大学において提示され、それを多くの大学で参考にしているということが、私の中では大学院生時代に非常に経験をさせてもらったと、そして自戒の念も込めて自分の講義を日々見つめなおさなければならないとつくづく感じさせる今日この頃です。
   
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