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週刊・授業改善エッセイ
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いわき短期大学 : 野内 友規

教育相談関連授業の難しさと教員による学生教育相談の必要性       

教育相談関連授業は、教職課程コアカリキュラムの「道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」の中で「教育相談(カウンセリングに関する基礎的な知識を含む。)の理論及び方法」として位置づけられています。
 教育相談関連授業の中では、「いじめ」「虐待」「不登校」などの内容が含まれ、将来、教育者や保育者として、これらの問題に適切に対応できる能力を身に付けていくことが目標となります。しかし「いじめ」や「虐待」などを実体験しトラウマとして心の傷を残してしまっている学生の中には、授業前アンケートでは本音を隠してしまったり、授業進行後もこれらの学修が困難になったりする学生も少なくありません。例えば、「いじめ」に関する視覚的教材を見ることができなかったり、グループワークで自らの視点に固執してしまい意見の異なる相手を攻撃してしまったりすることがあります。このような誤学修・未学修の背景には、トラウマによる認知の歪み(受け取り方の偏り)があると考えられます。   
 いわき短期大学では、学生が悩みを相談したいと思えるように、日頃から教員が関わることを心掛け、信頼関係を築き、聞くことを中心とした対話によりトラウマによる認知の歪みに迫る教育相談活動を通して、学生が自らの課題に主体的に向き合えるように支えています。その結果、「いじめ」や「虐待」のトラウマに向き合おうとする学生も見られ教育相談の授業内の態度や姿勢、誤学修・未学修の問題にも改善がみられました。学生が自らのトラウマに向き合うことで、子どもの抱える教育保育的課題に対し客観的に向き合うことができる感情的基盤を作ることができ、知識の修得にとどまらない深い学びが可能になります。
 教育相談ができる教育者や保育者を養成するということは、本学が掲げる「人間力」、すなわち教育者保育者としてふさわしい思考や感情を育成することに他ならないと思います。学生の人間力は、教員の人間力を通して育まれるということを忘れずに自らを省みることを忘れずに今後の教育活動に携わっていきたいものです。
              

   
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