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週刊・授業改善エッセイ
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北里大学 : 守屋 利佳

ポートフォリオとルーブリックによる実習の評価       


            

北里大学は薬学部、獣医学部、医学部、海洋生命科学部、看護学部、理学部、医療衛生学部、未来工学部、一般教育部があり、医療系の専門職資格の修得を目指す学生が多く学んでいます。
 医療系の学部では、低学年から医療の現場に出向いたりする機会も多く、実習の内容も専門的な技能の修得とともに「現場の仕事の概要を知る」、「職員や利用者と適切なコミュニケーションをとる」、「自らの経験を振り返り、改善に務める」などを目的としたものもあり、どのように学びを深め、適切な評価を行うかが大きなポイントです。
 私が担当する北里大学医学部1年生/2年生の早期体験学習では車椅子操作や一次救命処置などの技能・態度の修得や医療・介護施設などでの実習を行っています。実習の記録として、その後の評価の対象として「ポートフォリオ」を導入しています。
 ポートフォリオは「紙挟み」の意味で、学習者の成果や省察の記録・指導者の指導と評価の記録などをファイルにして系統的に蓄積していくもの1)、2)で、学習もの記録として振り返りに有効であるとともに、評価にも活用できます。例えば一次救命処置の実習時に受けたスキルチェック表やフィードバック、実習での振り返りなどがその内容になります。施設実習などでは、実習の記録として実習内容や現場の指導者からのフィードバック、振り返りを記録します。自ら調べた関連資料、まとめのレポートなどを挟むことも可能です。
 このポートフォリオの評価に使用する基準としてルーブリックを用いています。ルーブリックは「ある課題について、できるようになってもらいたい特定の事柄を配置する道具」3)で修得すべき能力、評価すべき能力を観点と尺度で表したものです。表の左の欄に評価すべき能力(例;指導者と適切なコミュニケーションをとれているか など)を記載し、右の欄に尺度の段階(S,A,B,Cなど)を置いてそれぞれに相応しいレベルの具体的な内容を記載します。学生にもルーブリックを提示しておくことで、学習者と評価者が学修の到達内容とレベルを共有できる、教員同士やTAなど指導者が教育内容を共有できる、学習者に具体的にフィードバックを行うことができる、などの特徴があります。
 ポートフォリオとルーブリック評価は導入当初はハードルが高いですが参考になるサイト4)もあります。実際に導入してみるとその有用性が良く理解できるもので、今では欠かせないものになっています。
 参考文献

   
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