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週刊・授業改善エッセイ
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 筑波技術大学 : 嶋村 幸仁

 日本経済についての議論や関心を高めよう!! 

本学では、企業の経営状況や我が国の経済状況などにあまり関心のない学生が目立つ。私は、経営学を専門としているので、授業日の株価の状況や円ドルの価格などインターネットを使って授業の一環として学生に調べさせることを行っている。これは、経済や実際の企業経営によって株価が変化することを理解してもらいたいからである。しかし、経済は複雑であるので、次の授業である1週間後に株価等がどうなっているかなどの予測など全くできない。
 さて、本屋に行くと欧米のドルやユーロ危機が増幅する内容の本や日本経済の破綻や崩壊といった種類の本が多く売られており、今後の世界経済や日本経済に対しての不安を脅かす内容となっている。また、逆に、まだまだ世界経済や日本経済は大丈夫とする本も売られてはいるが、あまり多くは置いていない書店が目立つ。単に不安を煽っているだけなのか。いやそうではないと感じている。これは、消費者(国民)がどこかで悪くなることを敏感に感じ、心理的にそのような本を買ってしまうことから、必然的に経済が悪くなる本の方が売れることとなっていると感じられる。
 実際、我々が感じるものの一つとして、最近ではバブル崩壊以降最大の株高などがあり、まだまだ大丈夫であるとの意見があるが、国民が裕福になっていない(給与が上がっていない)この経済状況でなぜ株価が上がっているのかは不明である。今、まさに世界を駆け巡るマネーは拡大を続け、世界のGDPは約5000兆円規模であるが、その10倍以上の約6京円といった途方もないマネーが流通されているのである。これが実体経済と金融経済の違いである。今、世界は金融経済によって支配されてしまったのである。  
 このことによって、実体経済で動いている製造業などの企業経営は、とても難しい選択を強いられることとなっているのである。   
 現在の日本を見ると、日本の国債残高も膨張を続け、1000兆円を優に超してますます増加の一途をたどる勢いである。またその内容も国内で90%以上消化されているので安心だとする意見と、既に国民の金融資産による国債購入が限界に近づいているといった意見があり、その真意はわからない状況となっている。このままどれくらいまで国債を発行することが可能であるのか誰にも分からないのである。1つの金融政策は日銀による国債引受(正式には市中金融機関が買いそれを受け入れている)であるが、お札を印刷できるところが国債を購入するということを考えると、私はタコが飢え死にを免れるために自分の足を食べてしまうことを想像してしまう。もうこんな状況に日本は来てしまったのかと考えざるを得ない。   
 では、この借金(国債)はいつ誰が償還するのか、このままいけば、子や孫の世代に負担が及ぶ事は明白であるが、このまま借金を続けていってよい筈はないし、また、いつまでも借金をし続けることはできないと考えられる。このことから経済破綻が巷で騒がれるのであり、経済破綻することでハイパーインフレを起こし、借金(国債)を軽くすることができるのである。しかし、国民への痛みは非常に大きなものとなる。  
 このように今の日本経済は非常に不安定であり、私達だけでなく、学生も今後大きなリスクを抱えていることを自覚して日々を過ごさなければならないのである。平穏な時代はいつまでも続くわけではないことを学生には伝えていきたいと考えていると共に、常に企業の経営や日本経済の状況を意識して一日一日を大切に生きていきたいと感じている。   
            

   
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