青森中央学院大学には、経営法学部(定員165名、編入学除く)と看護学部(定員80名、別科助産専攻5名)の2学部があります。毎年、両学部教員を対象にFD研修会を実施しており、2021年度からはアクティブ・ラーニングに関する研修会を行っています。アクティブ・ラーニングとは、教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称です(文部科学省用語集)。2021年度の「アクティブ・ラーニング導入研修」では、アクティブ・ラーニングの必要性や、授業に取り入れるための具体的な方法について講演をしていただきました。2022年度の「アクティブ・ラーニング実践報告&ワークショップ」では、各学部の教員1名が担当科目でのアクティブ・ラーニングの実践を報告し、その後、学部ごとにグループディスカッションを通じて取り組みについて意見交換を行いました。また、「他の教員のアクティブ・ラーニングの取り組みを聞きたい」という要望を受け、研修会後には「わたしのアクティブ・ラーニング」と題し、1〜2ヵ月に一度、office365のTeams機能を用いて教員の具体的な取り組み事例を共有する機会を設けています。アクティブ・ラーニングを導入することで新たな課題も生じたため、2023年度の「アクティブ・ラーニング オンラインワークショップ」では、アクティブ・ラーニングの導入や取り組みの困難点、クラスサイズによる工夫、グループ作成やグループ格差への工夫など、実施上の課題ごとにグループで意見交換し、その内容を報告・質疑応答しました。
私は看護学部で基礎看護学を担当しています。基礎看護学の科目は1〜2年次に開講しており、多くの学生は入学後に初めて看護の基礎を学びます。ここでは、1年次前期に開講している日常生活援助技術科目(食事・排泄・体を清潔にするなど)におけるアクティブ・ラーニングの実践について報告します。本科目は講義と演習で構成されています。講義では、学生が事前課題と小テストに取り組み、授業中にグループワークを通じて小テストの正答と誤答を修正し、クラス全体に発表する形式をとっています。演習では、教員作成のデモンストレーション動画を視聴し、事前課題に取り組んだうえで、授業中に学生がデモンストレーションを行い、技術練習を行います。講義・演習ともに、授業開始時には学生が最も学びたい学習目標を自身で設定し、終了時にはその学習目標に対する到達度を他者と話し合います。また、教員は発表やデモンストレーション、練習時に補足説明を行い、授業終了時には復習テストを通じて理解度を確認します。これにより、学生は目的意識を持って授業に臨み、テキスト等を活用し、調べ、考える学習を行っています。
将来、看護職という専門職に就く学生にとって、能動的に学習する力を身につけることは不可欠です。そのため、高等教育において、学生が能動的に学習できる教育方法を模索し、積極的に取り入れていきたいと考えています。
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