本学では、2007年度から企画運営委員会内にFD小委員会を設置し、さまざまなFDの取り組みを展開していますが、今回のリレーエッセイでは、教育の質保証を目指したシラバス改善の取り組みについてご紹介します。特に、2021年度から2023年度にかけての外部講師によるFD講習会は非常に参考となり、2024年度からは本学でシラバスの書式を改める運びとなりました。書式改訂による効果を測定するのはまだ尚早ですが、新たなスタートを切ることができました。
2021年度は、大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部の佐藤浩章准教授をお招きし、「シラバスの書き方:認証評価に向けて何が必要か?」と題したFD講演会で、従来の本学シラバスが簡素であることへの指摘と、米国の事例紹介をしていただきました。2022年度には、山形大学学術研究院の浅野茂教授をお招きし、「教育の質保証:PDCAサイクルと質保証のための学内体制の構築」をテーマにしたFD講習会を通じ、シラバスを教育の質保証につなげる重要性や山形大学での取り組みを紹介していただきました。2023年度には、筑波大学大学研究センターの田中正弘准教授をお招きし、教育の質保証の観点から第1部「成績評価の組織的点検」、第2部「シラバス改善実践セミナー」としてFD講習会を開催し、成績評価の組織的な対応の重要性や筑波大学での事例を紹介していただきました。
これらのFD講演会から大いに刺激を受け、本学では、DPとの関連性を明確にした到達目標、学習内容を明示した授業計画、評価方法など、シラバスで多くの箇所を見直しました。本学は小規模な公立短期大学であり、複数の専門教育科目が同時開講されることもないため、以前の簡素なシラバスでも学生が不都合を感じることは少なかったようです。しかし、外部講師のFD講習会や他大学の事例研究を通じ、今回大幅な改訂を行うに至りました。今後は書式改訂の効果を見極めつつ、さらなる授業改善につなげたいと考えています。
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