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週刊・授業改善エッセイ
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 仙台大学 : 後藤 満枝

 グループワークのあり方を考える 

私が所属する体育学部には6学科が存在しており、私は主に健康福祉学科の中で介護福祉士養成に携わっている。介護の授業では、課題に対してグループで考え意見を出し合うようなグループワークを取り入れることも少なくない。年々このグループワークがうまく進められない学生が多くなってきていると感じる。仲の良い友達同士でしかコミュニケーションがとれない学生や、話し合うというより自分の意見を書いた資料を回し読みするグループなどもあり、いくつかの課題がある。
 そのような中、先日、本学では毎年恒例の学生参加型FD研修会が行われた。FD委員である私は運営側として参加した。今回はグループワークのあり方について考えるようなテーマでの開催であったが、運営側の指示により、初めは参加の教員と学生は「大学のキャンパスを明るくしよう」というテーマでグループディスカッションを行った。その後、話し合った内容について発表した。通常のグループワークの場合はこれで終わるのだが、今回の研修会はここからが本題であった。
 実は、グループディスカッションを始めるにあたり、事前にグループの各メンバーに一人ひとり異なるミッションがこっそり出されていたのだ。それは他のメンバーには知られないように、ということも指示されていた。
 Aグループには、役割分担(リーダー・フォロワー・書記係等)とディスカッションの進め方を明示。Bグループには役割分担指示はするが、ディスカッションの進め方は放任。Cグループには役割分担指示がなく(一人を除き全員フリー学生役)、ディスカッションの進め方は放任。Dグループには一部無気力学生の役割を担ってもらい、ディスカッションの進め方は放任とした。タイミングを見計らってこれらのネタばらしをした。この条件下では、一般的にAグループやBグループが比較的グループワークが円滑に進むが、CグループやDグループは役割分担を決めないままでは展開しづらいはずである。
 ここで初めて授業におけるグループワークでの困りごとなどをディスカッションしてもらい、グループワークのあり方について考えてもらった。
 学生からは、「グループの中にやる気のない人がいると影響を受けてしまう」、「役割を決めなかったり人数が多かったりするとフリーライダーが出てきて頑張っている人が損をする」、「リーダーや、意見をうまく言えない人を引っ張ってくれる人が必要」、「先生の話題提供の仕方によって学生の進め方が変わってくる」、「先生の働きかけは重要」など、様々な意見が挙げられた。
 また、教員からも、「グループ分けで苦労している」、「社会に出ればいろいろな人と一緒に仕事していくのだから、誰とでもコミュニケーションが図れるように…」などという意見が挙げられ、教員と学生のそれぞれの思いを共有する機会になった。今回の研修を通じて、改めて役割分担やグループ編成の重要性について再認識できたようである。
「先生の話題提供の仕方によって学生の進め方が変わってくる」という学生の言葉が心に響いた。今後グループワークを展開するときには、この言葉を意識して進めていきたいと考える。
                  

   
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