本学の英語英米文学科では、2024年度の学内FD予算を活用し、道東地域でのフィールドワークを実施しました。これは学科として初めての試みであり、学生が地域と関わる新たな学びの形を探る貴重な機会となりました。従来、本学科では国際交流や高等学校との連携に力を入れてきましたが、北海道内の地域を訪れ、現地の人々と直接対話しながら調査を行う機会はほとんどありませんでした。そこで、地域社会とのつながりを深め、新たな教育の方向性を模索することを目的に、このプログラムを実施することになりました。
この試みの背景には、「地域貢献」や「多文化共生」といった学科の特色をより実践的に学ぶ場を創出したいという思いがありました。特に、他学科のフィールドワークのノウハウを参考にしつつ、英語の知識やコミュニケーションスキルを地域社会でどのように活用できるかを検討しました。学問としての探究にとどまらず、地域社会の課題解決に貢献する可能性を探ることも重要な目的の一つでした。
今回のフィールドワークでは、知床斜里町を中心に、羅臼町や標津町などを訪問し、町役場や観光施設の方々と意見交換を行いました。特に、外国人観光客の増加に伴う言語対応の課題や、地域資源の海外発信の方法について多くの示唆を得ることができました。こうした調査を通じ、英語英米文学科の学生が持つ語学力や異文化理解の知識を活かし、地域社会に貢献できる具体的な可能性が見えてきました。
また、この経験を通じて、「学びを社会で実践すること」の重要性を改めて実感しました。教室内での学習はもちろん大切ですが、現場での実践を通して知識がより深まり、新たな視点が得られることを学生自身が体験する機会となりました。こうした学びの形は、学生の学習意欲を高めるだけでなく、教員と学生が協働しながら教育を発展させていく契機にもなると考えています。
今回のフィールドワークは、本学科にとって新たな挑戦でしたが、その成果は大きなものでした。今後は、地域との連携をさらに深め、より多くの学生が実践的な学びを経験できる機会を提供するとともに、学際的な視点を取り入れた新たな教育のあり方を探求していきたいと考えています。
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