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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

週刊・授業改善エッセイ
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 北里大学海洋生命科学部 : 小檜山 篤志

 2025 FDネットワークつばさリレーエッセイ 

    

教育は難しい

 この仕事に就いてから,教育は非常に難しく,悩みは尽きないものであると実感しています.最近は,試験で正解を答えるための知識ではなく,研究やこれからの人生で「使うことができる知識」を習得してもらうための教育について考える日々を過ごしています.講義で学んだ知識が役立つ絶好の場である研究において,それを利用できていない状況に頻繁に遭遇します.このような時には私の教育の至らなさを痛感します.講義中に説明していることが,実際の研究で考える際に役立つものであると伝えることができていないのです.講義中は理解することよりも内容を記録・記憶し,それを試験で用いることに力を注いでいる可能性があります.記録・記憶したことを用いて考える機会が少ないのではないのでしょうか.また,現在の生活環境では,インターネットを使えば簡単に正解を得ることができます.このような環境では,なぜ正解がそうなるのかを考える機会も少なくなってしまっているものと考えます.重要なことは,「なぜ?」と考え,その疑問に対する正解を知り,なぜその正解に至るのか,その理由や過程を理解することだと考えています.このような状況下で,自分にはどの様な教育ができるのでしょうか.講義と実習とをリンクさせ,学んだことを利用する場を提供してその有用性に気づいてもらうことや,根気強く,この知識がどこかで役に立つこと,些細なことであっても「考える」ことが重要である,と伝え続けることが最善の策かもしれません.これらのことを受け入れてもらうためには,相手と良い関係を築くことも必要となりますが,実はこれが私にとって一番難しい事かもしれません.教育者として,学ぶこと,研究の楽しさを伝えることはもちろんですが,これからの人生において大学での学びが役立つものになるよう,サポートすることに注力し,後悔はせずに反省しながら,この難題で正解のない「教育」について考え,試行錯誤の日々を過ごしたいと思います.
                   

   
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