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あっとおどろく大学事務NG集
 
 

山形短期大学 眞壁 豊
  (総合文化学科)

“大学に勤務する教員は原則として「教育のプロ」ではありません”
 ということを大上段に構えているような大学教員が,いま現在において居たとしたら,おそらく大学に勤める方々はもとより,世間から,あるいは監督官庁である文部科学省から叩かれてしまう時代なのかもしれません.
 さて,まずもって確認しておかなければならないのは,大学の教員になるためには,幼稚園〜高等学校の教員になるために必要な資格である「教員免許」ではなく,「研究業績」や「著書」などのような「実績」が求められることは,もちろん疑いようのない事実です.
 そんな教員免許が必要無い大学教員の世界で「FD(ファカルティ・デベロップメント)」という言葉が叫ばれはじめてそれなりの時間が経ったように思います.
 私が知る限り,大学教育の世界において「ファカルティ・デベロップメント」という言葉が持ち込まれたきっかけになったのは,平成10年10月26日付の文部省(現:文部科学省)答申である『21世紀の大学像と今後の改革方策について 〜競争的環境の中で個性が輝く大学〜(答申)』だと思われます.その文面には『自己の教授能力の向上のために不断の努力を重ね,学生の学習意欲を喚起するような授業を展開していくことが必要』であり,且つ『各大学はファカルティ・ディベロップメントの実施に努めるものとする旨の規定を設けることが必要である』と書かれてあります.

 あえてぶっきらぼうな言い方をすれば,大学教員の仕事は大きく分けて,「専門領域の研究」と「学生への教育(教授)」の2つの側面を持っていると言えるでしょう.
 そして,大学教員は「専門領域の研究」を行う者としての顔は当然意識していたとしても,「学生の教育(教授)」能力を向上していく立場としての顔は,教育そのものを研究対象としている方を除けば「意識したくてもなかなか出来ない」というのがホンネではないでしょうか.
 大学教員全てが教育に関する「わかりやすい教授法」や「公平な評価法」などに精通しているかといえば,大学教員になるために必要な資格や,教員任用時の試験方法などを確認すれば,そんな保証は無いと言わざるを得ない現状であるのは仕方がありません.
 大学教員の中には,もちろん教育そのものを研究対象としている先生方も全国の大学に点在しています.ただ,教育を専門とする教員を充分に配置することができない小規模大学の場合,なかなか単独大学を活動単位とした「ファカルティ・デベロップメント」を満足に行うことは難しいのではないでしょうか.このような問題を解決する1つの策として,今回のような複数大学をまたいだFD活動である「つばさ」の存在意義がある,と私は認識しています.
 本学も総定員が1000人に満たない小規模な大学なので,なかなか本学においてもFDに関する議論は,会議などの具体的な「場」を設ければ活発に議論自体は行われるものの,実践としてはまだまだこれからという状況です.現時点で本学において定着している取り組みとしては,「紀要」以外の本学独自の論文誌として「教育研究」と「教育実践研究」という,主に本学における教育研究を目的とした論文誌を刊行しており,積極的に教員の教育研究成果を受け付ける仕組みを設けています.
 とはいえ,ルーティンワークの効率化の余地がまだ多分に残されている本学においては,教員各々が専門領域研究と,それに加えて教育研究までこなすことができるかというと,まだまだ充分ではないのが現状です.
 敢えてもう一度書いておきます.
 “大学に勤務する教員は原則として「教育のプロ」ではありません”
 「教授能力(教える力)」の向上に向けて常に研鑽を積んでいる方々といえば,幼稚園〜高等学校の先生方こそ,大学教員からしてみれば大先輩だと言えます.今後の日本全体におけるより良い教育環境を考えた場合,幼稚園から大学まで,全ての先生方が「教える力」をめぐって切磋琢磨する環境こそ望ましい環境であり,また大学という組織内における小難しい言葉で言うところの「ファカルティ・デベロップメント」の進むべき道と言えるのかもしれません.

   
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