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 山形大学  小田  隆治
 

就職と卒業研究

 今朝、私の研究室にゼミ生の一人がやってきた。前日に受けた首都圏の教員採用試験の結果報告である。結果と言っても、受けたばかりなので合格・不合格は出ていない。受験の手ごたえの報告であり、2週間後の地元の教員採用試験の対策についてである。冗談を交えつつ、1時間ばかりざっくばらんな話し合いをした。
 「点を取る予定だった物理ですが、過去にほとんど出題されていなかった分野が出題されて、全然できませんでした」
 「終わったことはしょうがないから、同じ問題が次回出題されたら、できるようにしておいた方がいいよ。まだ2週間もあるんだから、計画を立てて頑張れば」
 「そうですね。2週間しかないと考えるよりも、2週間もあると考えればいいんですね」
 そんな会話をし、学生は少し勇気づけられたようで、元気に研究室を出ていった。
 就職シーズンになると、私は毎年気を揉んでしまう。民間企業を希望する学生が何度も何度も面接で落とされてくると、こちらも気が滅入ってくる。なんとかしてやりたくとも、私にはどうすることもできない。ひたすらさりげない励ましの言葉をつぶやくだけだ。
 携帯電話から「先生、内定が出ました」という言葉が聞こえてくると、こちらも解放された気分になる。
 卒業したゼミ生からも、相談に乗ってくれと連絡が入り、会って話をする。気にかけても仕方がないが、卒業生のその後も気にかかる。
 卒業研究という制度は、世界でも珍しいものだという。しかし、この制度によって日本の学生は一年間学問の世界に触れ、課題探求・解決の能力が飛躍的に伸びていく。それは学問の世界に限定したものではなく、学生と教員が人間的な触れ合いを深めていく場にもなっている。
 学生のみなさん、採用試験の結果のいかんにかかわらず、残された時間を卒業研究に頑張りましょう。将来、大学時代は素晴らしかった、と言えるように。
   
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