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 会津大学  青木  滋之
 

FDに活力を まだ始まったばかりの会津大学の取組み

 会津大学が平成21年6月にFD推進委員会を設置してから、すでに3年あまりが経過したが、明確なFD推進のための仕組みができてきたとか、効果が現れてきたと感じている教員は僅かだと思う。実際、私がFD委員になる前に、FD推進委員会の仕事が目に見える形で現れてきたのは、教員のメーリングリストで配布されたシラバス作成についてのtips集と、良いシラバスを用意した教員に贈られるベストシラバス賞、くらいだった。それが自分も実際にFD委員になると、学生によるオンラインでの授業評価、FDについての講演、FD関連の書籍購入、学生FD会議の結果報告など、少しずつだが今後の会津大学のFD活動の芽となる活動が始まっていることに気付く。こうした活動が実を結ぶには、何が必要なのだろう。
 考えてみると、FD活動が実を結ぶには、シラバスや授業の改善に結びつく仕組みづくりにも増して、FD活動の周知や教員側の関与(柔軟さ)が必要なのではないかと思う。FDを今の時代に「フロッピーディスク」と読む人はいないと思うが、「FD? よく分からないな。自分には自分の授業のやり方があるし、余計なお世話だよ」と内心思っている教員が、結構多いのではないだろうか。FD委員が回ってきたら会議には参加するけど、それが終わったらオシマイ、みたいな空気が大学にあったとしたら、それが、一番問題なんじゃないかと思う。会津大学は比較的小さな大学で、FD推進のための専門部署なるものが存在せず、複数の委員を兼任している教員も多いので、一貫してFDの課題に取り組んでいくのが難しい。
 上で指摘したような空気は、FDに先駆的に取り組んで、外からは「熱心」だと思われている大学でも、大同小異のように思える(私が非常勤で勤務した、会津大学以外の複数の「大きな」大学でも、そうだった記憶がある)。教員をもっと巻き込む仕組みづくりも考えていかなければならないと思う。例えば、このエッセイのバックナンバーには、教員間での授業見学を義務化している大学や、学生による授業評価を学内で公開している大学があった。これらは、非常に目に見えるやり方であるし、教員が持続的にFDに関与するよい手立てだろう(反対もあるだろうけど)。FD委員だけが、任期中にのみ関わるのではなくて、日々忙しい研究・教育活動の中でも、全教員がちょっとずつ関わることのできるよう、FDに活力を与えていくことが、今後会津大学では求められるのではないかと思う。

   
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