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札幌大学 堀江 育也
昔と今の学び
今の学びの環境は、昔と大きく変わった。といっても、私自身、まだ40歳になったばかりで、ベテランの先生からすると、昔とは言い過ぎかも知れないが・・・。大きく変わったことと言えば、やはり言うまでもなく、インターネットが身近になったことだろう。私が、大学へ入学したとき、まだ、コンピュータも、フロッピーディスクを使って起動し、マウスも特定のアプリケーションを操作するときにしか使っていなかった。しかし、4年間のあいだに、ハードディスクが当たり前のように搭載され、OSもCUIからGUIの環境へどんどん変わって行ったのを覚えている。私は機械好きだったこともあり、借金をしながらコンピュータを買い、CPUの載せ替えやクロックアップなど、カスタマイズを楽しんだ。しかし、コンピュータを使ってやることと行ったら、ネットワークには繋がっていなかったので、ビジネス系のアプリケーションやゲームなど・・・。はじめの頃のコンピュータの使い方は、レポート書きや、表計算、プログラミングなど、用事が終われば電源OFFという感じであった。電源を入れても、前回、終了したときとコンピュータの中身は変わっていない。それが、当たり前で、鉛筆やノートと同じような、勉強の道具でしかなかった。しかし、コンピュータがインターネットに繋がったことで、全く世界が変わった。利用の頻度も格段に増えた。電源を入れるたびに、コンピュータの中身は以前と同様、変わらないが、コンピュータを通して繋がるネットの世界がどんどん変わって行くことに、強い衝撃を受けた。今の人たちは、ネットに繋がっても感動はしないだろうが・・・。この、数十年間でインターネットの使い方も大きく変わった。プライベートでの利用ももちろんだが、勉強面でも欠かせないものとなっている。語学力があれば、インターネットを使って海外の授業も受けることができる。勉強意欲があれば、Webサイトの情報だけでなく、書籍の購入、論文の入手が容易であり、たとえば、ハードウェアに興味があれば、従来であれば入手困難であった道具やパーツの購入であっても2、3日もあれば入手できる時代である。また、プログラミングなども知識がなくても、SNS等を使って教えてもらうことだってできる。さらには、自分で得た知識やアイディアなどを公開し、斬新なアイディアであればクラウドファンディングを活用し資金を集め起業することもできる時代だ。凄い時代である。私も、今の時代に生まれていればと思う反面、心配もある。それは、今まで、最先端の専門知識は、高等教育機関など限られたルートでしか得ることが難しかったが、インターネットによりその状況は変わった。学ぶ意欲があれば、得られる知識の差が、昔と比べると格段に違ってくるはずだ。昔も今も、主体的な学びは大切であるが、今は、特に主体的な学びが大切だと思う。これからの大学での学び、どのように変わって行かなければならないのか。教える側も、どのように変わって行かなければならないのか。時代の変化に合わせて動きながら考えていかなければならないだろう。
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