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あっとおどろく大学事務NG集
 
 

羽陽学園短期大学 樋口健介


 

先日、と言っても、もう半年近くも前のことになるが、学生から自分の誕生日を祝ってもらえるという嬉しい出来事があった。

本学は女子学生が多いこともあり、普段から学生同士でお互いの誕生日を祝いあったりしている。ケーキやお菓子、コルクボードに写真やメッセージを貼ったものを用意し、サプライズを演出するために駐車場に地上絵を描いたりなど、プレゼントの渡し方にも工夫を凝らす。授業にもその熱意を持って臨んでもらえたらなぁ、と思うこともしばしばである。そんな誕生日イベントの中でも、一際、過激な祝い方が生クリームたっぷりのパンケーキを顔面に投げつける「顔面生クリーム」と呼ばれるものである。本学ではちょっとした伝統になっている誕生日の儀式である。そんな「顔面生クリーム」の儀式であるが、その事後処理の大変さ(色々な所がべとべとになる)のために、誰にでも実行するのではなく相手を選んでターゲットを決定するようだ。学生なりに空気を読んで、笑いになりそうなターゲットを探すのであろう。

教員になって二年目、年齢も学生とそんなに離れていない自分がそんな伝統儀式に相応しい生贄として奉りあげられることは、至極、自然な流れであった。しかし、ここでも学生なりに空気を読んで、「仮にも先生の顔面に生クリームはあまりにもひどいんじゃない?」という話になったようである。そんな心やさしい意見をふまえ、学生たちが生クリームの代役に選んだ素材は豆腐であった。「安く手に入るし、べとべとしないし、肌つるつるになるし、ちょうどいいじゃん。」そんな軽いノリで選ばれた豆腐だと思うが、ぶつけられてびっくり。野球のグローブで横っ面をひっぱたかれたのではないかと思う衝撃であった。

教員として学生に自分が伝えられること、伝えたいことは何なのか、正直なところ、まだ明確にはなっていない。しかし、木綿豆腐と絹豆腐を料理に応じて使い分ける繊細な心は伝えていきたいと強く感じた、思い出に残る誕生日であった。学生が持つ若さと勢いを生かしながら、少しの思慮深さや繊細さを付加させることが出来る関わり方を見つけていきたいと思う。そして何よりも、来年以降、「顔面木綿豆腐」が伝統として受け継がれないことを心から願っている。



   
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