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米沢女子短期大学 加藤守匡


 

私の講義は健康栄養学科の学生を対象とすることが多いです。そのため、講義内容は健康に関連することが殆どとなります。各講義では、筋機能や神経機能、循環機能、エネルギー代謝などを講義テーマとして設定し授業を行っています。そして、講義全体の終盤になると学生達に対して"実現不可能でも構わないので、あなた自身が考える健康プログラムを開発して下さい"という論述課題を出しています。学生達には講義の中で学習した事、学生達が見聞きした知見を基に出来る限り各自オリジナルの発想で健康の維持・増進に役立つアイデアを提案することを目指してもらっています。その文章構成には「新規性や独創性」、「実用化について」「課題とした内容の背景及び動向」、「どういった領域の人々の協力が得られるか」という点を踏まえて記載するように指示しています。私は提出される文章をチェックし、既に同様のアイデアが存在していないかを確認していきます。学生が考えた健康プログラムが既存のものである場合には、既存のものの更なる検証、中々考えがまとまらない学生の場合には提案した健康プログラムの問題点がどこにあるかを徹底的に調べてもらい、どう解決するかを考えてもらうようにしています。

この論述課題は、当初はただ学生の考えを知りたかった程度で始めました。最近は色々と良い面もあるのではと思っています。まず、学習内容や知識を新しい知見にブラッシュアップするのに役立つのではと思っています。学生が新しいと思っていたアイデアも誰かが既に実践していたり、普及まで進んでいる場合もあります。また、昨今はこれまでの定説(例えば中枢神経系は一度損傷したら再生しない)が覆されることも度々あります。こうした機会を経て一時だけの学習ではなく5年後、10年後も学び続ける必要性を体験してもらえればと思っています。また、健康分野も学問の細分化が進んでいます。しかし、実際の社会応用を考えれば1つの学問領域だけで完結する物事は少ないと思っています。他の学問領域の方達とどう関わりを持てるかを考えてもらい、自分達の専門性を見直すきっかけや他領域との連携や協力を考えてもらう機会になれば良いと思っています。

最後に、これまで記載させて頂いたことは論述課題そのものが良いのではなくおそらくこれをきっかけに共通テーマで学生とコミュニケーションをとれることが利点なのだと思っています。本学で行われている授業評価アンケートのコメントなども含め私自身の講義内容を改善し課題を通したコミュニケーションだけでなく普段からの会話も大切にした学生との相互理解を構築できるように目指していきたいです。






   
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