本学のFD活動の今一番の話題は、来年度へ向けて、「嘉悦大学授業づくり指針―学生の学びづくりへの16」を策定したことである。来年度の授業を担当されるすべての教員に、授業のシラバス作成にあたって、ひとつの手がかりとなることが期待される。
16の項目からなる指針を策定しようと考えた理由は、つぎのことが課題だと思ったからである。授業評価アンケートを本学は年2回実施している。その集計結果を眺めていて気づいたことは、個々の教員の授業改善は本学の学生を前にしてどこを目指すのか、不明瞭だということである。もちろん、いわゆる古典的な授業評価アンケートであれば、担当教員と受講学生の授業改善をめぐるコミュニケーション機会を保障し、あとは担当教員の自主的な改善にお任せする。ヒントの提供は行うということでよかったと言えよう。
だが、本学のようなユニバーサル系の大学は、不十分学力で入学してきた学生を、社会人通用学力に育てあげてこそ、未来が開けるし、社会的使命を果たしたことになる。
で、あるのならば、どのくらいの授業を実現するかについてのひとつの目安があっていいことになる。その目安をクリアするぐらいの授業を実現したいし、そうできる教育力を備えた教員にひとりひとりがなっていきたい。職員のみなさんにも、教員の目指している地点を理解いただいて、ぜひとも、サポートをいただきたいとおもう。
とはいえ、この16項目は、難度の高いことは要求していない。4年制大学創設10年余の経験の結晶をもとにしているし、主として講義型授業を念頭において、授業を「学生の学びづくりの場」とすることを中心に据えて、学生諸君をそこへいざなう具体的手法と考え方を述べたものである。なぜなら、私たちは、本学の学生をまずは、「学びの経験不足」ととらえることから、授業づくりを出発したいと考えるからである。
私たちのチャレンジは、「学び」を「経験してしまった」と学生に言わしめるところにあるのであり、それを実現してこそ授業になったということなのである。
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