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 山形大学  杉原 真晃
 

学生の志にふれ、新たな決意を 〜 大地連携ワークショップの一コマ

 

ゴールデンウィークが過ぎ、春の陽気がやっと感じられる頃となりました。学生が着る明るめの服に春の陽光が反射して、新入生の初々しさが増幅して見えます。

 

そんな頃、5月7日に、山形大学基盤教育教養科目「フィールドワーク―共生の森もがみ」のオリエンテーションが行われました。この授業は、山形県最上郡の8市町村をそのままキャンパスに見立て、各地で行われている地域活性化の活動や自然環境保護活動、伝統文化保存活動、農作業、祭りの準備などに学生が参加する現地体験型の授業です。通常、土日の一泊二日のプログラムを二回体験し、その前後に大学にて事前学習や事後の振り返りレポート提出と活動報告会を行うのですが、今年度から新しい形態のプログラムが加わりました。それが、「きらり金山 再発見!〜1番人気はどの地域だ!?〜」というプログラムです。このプログラムはFDネットワーク"つばさ"が平成24年度より開始したプロジェクト(通称「つばさプロジェクト」)における事業「大地連携ワークショップ」として位置づけられ、山形大学だけでなく、"つばさ"加盟校の学生さん方々が北海道・東北・関東から山形にやってきて参加するフィールドワークとなっています。このプログラムが他と異なるのは、この参加学生の多様性に加え、三泊四日という集中スケジュールで構成されているということです。平成25年度は、8月6日〜9日に山形県最上郡金山町にて実施されます。
  

今後、"つばさ"プロジェクト連携校の学生方々にこの「きらり金山 再発見!」プログラムへの参加を募りますが、山形大学では4月15日に他プログラムも含めた授業説明会を実施し、このプログラムへの参加を希望する学生を募り、5名の学生が決定しました。授業説明会は山形大学小白川キャンパス内のもっとも大きな教室(300名ほど収容可)に立ち見が出るほど盛況となりました。一方で、フィールドワークは前期に16プログラムあり、1プログラムに10名前後の学生が参加する少人数授業です。一人でも多くの学生を最上地域に連れて行きたいと願う一方で、止む無く受講をお断りしなくてはならない学生も発生する事態となりました。その際に判断の根拠としているものに、「希望調査票」があります。受講を希望する学生が、希望するプログラムを第一〜第四まで書き、同時に、「なぜ、このプログラムに参加したいのか」について、熱い思いを記述するものです。今回のような状態においては、残念ながら受講が叶わなかった学生がおり、申し訳ない次第なのですが、一方で、熱い思いを語り受講が叶った学生は、精鋭であることは間違いありません。

「きらり金山 再発見!」を希望した学生は、読んだ私も胸に熱いものが湧いてくるような思いを語ってくれていました。その一部をご紹介しましょう。


<学生A>
 

私は将来、建築士になり、東日本大震災で被災された所の復興を手伝いたいと考えています。私ができる事は家をつくり、まちをつくる事だと考えています。そこで、町並みで有名な金山町に行くことで、私が将来復興するにあたっての、具体的なイメージ作りになれば良いと思い、このプログラムを希望しました。【中略】また、その場所に行くことで、その土地ならではの環境を知り、その環境に家がどのように調和しているのかという所も見てみたいと考えています。

<学生B>

私は、大学卒業後は地域活性化につながることをしたいと考えていて、街の中で魅力的なところ、魅力的になりそうなところを発見できる力を養いたいと思っています。そして、この日程を見ると、フィールドワークが多く、「各班で」という言葉が多いです。つまり、このフィールドワークは、自分達次第で中身や得られるものが変わってくると思います。自分で授業をつくっていくというのも大変魅力的で、それもこのプログラムを選んだ理由であります。


8月9日にこのプログラムが終了した後、上述したような学生の思いが達成されていることを祈るばかりです。そして、そうなるよう、私たち大学関係者は、地域の方々と協力しながら学生を支援していかなければならない・支援していきたいと決意を新たにしました。大学の教職員である私たちが学生の学習意欲を奮い立たせることに加え、私たちもまた、学生から教育意欲を奮い立たされるのですね。もちろん、現地では、地域の方々が学生を奮い立たせるとともに、学生もまた地域の方々を奮い立たせるようなフィールドワークになるよう、私たちは支援していきたいと考えています。


   
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