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 山形大学  時任 隼平
 

新参者「フィールドワーク 共生の森もがみ」初体験を振り返る

 

こんにちは!4月に赴任してきました、時任隼平です。人生初の東北生活を満喫している私ですが、つい先日5月18日と19日は「フィールドワーク 共生の森もがみ」を初体験してきました。「フィールドワーク 共生の森もがみ」というと、つばさプロジェクトの代表的取組の1つです。そこで、今回のリレーエッセイ初投稿では,新参者である私の視点から見た「フィールドワーク 共生の森もがみ」について書きたいと思います。

 

今回私が参加したフィールドワークは、舟形町で行われた「里地里山の再生 T」です。18日(土)は朝7時30分に大学正門に集合です。東北の予想外の寒さに極度の警戒心と恐怖心を抱いている私は、長袖のシャツを着て大き目のスポーツバッグに防寒具をたっぷり詰込み、集合場所に向かいました。が、当日は何とも素晴らしい晴天と穏やかな陽気。「どうせ北の方に行ったら天気悪くて裏切られたように寒いんやろうな」とバスに乗っても警戒心は消えませんでしたが、フィールドワークが行われる舟形町に到着してみると、これまた素晴らしい晴天と陽気(写真1)!そして美しい自然(写真2)!ゴールデンウィークを大阪のど真ん中で過ごしてきてすっかり都会臭が身体にしみついていた私は、舟形町の自然いっぱいの環境に癒されつつ、フィールドワーク初日をスタートしました。


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写真1 写真2 写真3

初日は、キノコの植菌を行い、2日目は湿地にある歩道の修繕作業を行いました。これが、想像以上にハードなお仕事。はじめは学生たちの作業を見守っていた私ですが、途中から「先生も手伝ってください!」と言われ、2日間一緒に作業を進めました。作業を進めるうちに学生同士も打ち解けはじめ、大仕事の前には円陣を組んで一致団結をするほどになりました(写真3)。

今回、私がこのフィールドワークから学んだことは、2つあります。1つ目は、受け入れ側(地域住民の方々)が持つ学生に対する教育的姿勢の重要性と、2つ目はフィールドワークで学生が得る「きっかけ」を拡張するための支援の必要性です。

今回、2日間のフィールドワークを受け入れてくださったブナの実21会員や農業・林業に関わる皆様方は、学生に対して単に農作業を体験するためのフィールドを与えるだけでなく、そこでの活動が学生の「学び」に繋がるような工夫をしてくださいました。ブナの実21が開催する総会への招待や、学生が農作業に関わる地元の人たちと人間関係を構築できる場の設定などがそれにあたります。今回フィールドワークを担当してくださったOさんに話を聞くと、「作業をするだけじゃなく、自分たちの作業が地域にとってどういう意味があるのかを実感できるよう、4〜5年前から工夫している」とのことでした。フィールドワークは、単に体験をする場なのではなく、学生にとって「学びの場」そのものです。短期集中で行うが故の内容の濃さがあると共に、単なる体験で終わってしまう可能性もあります。学生を派遣する側の大学だけでなく、学生を受け入れて頂いている地域の方々にも教育的姿勢をもって学生に接して頂くことが、とても重要であることに気づきました。

2日間のフィールドワークは、学生一人ひとりの興味関心に基づき、色々な刺激を与えてくれ、その刺激は学びを促すための重要な要因となります。しかし、刺激を受けた学生が、その後一人でうまく学び続けることができるとは限りません。今回、フィールドワークに参加した学生S君は翌日に私の研究室を訪れ、「僕は舟形町のために色々とお手伝いをしていきたいんですが、どういうふうに進めればいいのか分からないのでアドバイスをください!」と熱く語ってくれました。S君のように、フィールドワークで得たきっかけを次の活動へと意欲的に拡張したいと考える学生は数多くいると思います。しかし、所属する学部やコミュニティーによっては、その意欲がうまく生かされないこともあります。学生の主体性を尊重すると共に、大学側からその主体性を支援するような取組みも、今後より一層必要になってくるのだと感じました。

この2日間、初めてのフィールドワーク体験は記憶に残るものになりました。私自身、少しでもこういった活動に貢献できるよう日々の教育・研究活動を頑張りたいと思います。




   
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