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 青森県立保健大学 杉山 克己




青森県立保健大学では、1999年入学の一期生から現在に至るまで、1年前期と4年後期に全学科(当初は看護・理学・社会福祉で現在はこれに栄養が加わった4学科)合同科目を置いている。多少の変化はあったが、学科混成の小グループで活動する点は変わっていない。最近では、受験生の多くがこうした科目の存在を志望動機の一つにあげることが多くなってきた。しかし学外向けにこれらの紹介をあまりしてこなかったのでこの際、少し説明する。字数も限られているので、私が科目責任者をしている1年生科目を中心にする。

4学科とも健康科学部に所属しているので、まず健康(科学)とは何かという内容を各学科教員が講義する。その上で、4学科混成の小グループでフィールドに出る準備をする。概ね数百戸の家々を小分けにして小グループごとの担当を決め、毎戸訪問する。訪問の(表面的)目的は、「普通」に生活している人々の健康観や地域への想いを掴み取ることである。

学生らは、知らない地域の知らない家に突然訪れてインタビューするということになる。当然、不安は大きい。これを克服するためのグループ作りが準備学習の大半を占める。  

教員側も前年度末から、予定地域に足を運び、地区の様子を見、町内会長等に挨拶をし、学生が利用する地区の集会場を借りる算段をするなど準備をする。

本学の試みの特徴を強いてあげれば、1年のこの科目も4年次の科目も、現実の住民や保健医療福祉サービス利用者に会うという点であろうか。この点は学内でも何度か議論になったものの、現実の多様さや緊張の中での多学科協同作業は、他の方法ではなかなか得られ難いと感じている。4年生科目については初期の卒業生が受入れ側になってきて、協力と理解・評価を得ていることが励みになっている。

私自身はこれらを単なるIPE科目とは思っていないし、狙いも多様で、簡単に「成果」を測れるとは思っていない。さりとて、学内でも十分に理解されているとは言い難い科目だけに、成果のみならず科目そのものの見える化を進めないといけないとも感じている今日このごろと言った状況である。





   
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