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 東日本国際大学 柳沢 民雄

<学生とTV番組をみながら討論>



3年前に英語の教員として赴任しました。英語を不得手に思う学生も多い中で、英語の音声像を身につけてほしいと願っています。英語教員の共通テキスト(Oxford)を基本としながら、年間に30曲ほどの洋楽を授業に取り入れ、さらに世界で生起する問題への関心と意識をふくらませるために、語彙数や発話の速度も学習者を意識しているVOA(Voice of America)の"As It Is"から、やはり年間30枚ほどの授業プリントを自作し学生と聴き、読む活動をしています。

ここでは福祉関係学部の教員として1年、2年の2つの基礎ゼミで取り組んでいることを報告します。1年生にはまず輪読体験、レジュメの作成、論点を探る、ことを目標に数冊の本を読みます。空気を吸うだけでお金がかかると書き始める川井龍介『社会を生きるための教科書』(岩波ジュニア新書)は、アパートの契約から、税金や社会保険の手続き、労働条件の確認に結婚や子育て、親の介護や生命保険、お金の管理など、自立へのイメージ形成を助けてくれます。続いて古川孝順『福祉ってなんだ』(同)にすすみます。ジュニア新書とはいえ決して読みやすい本ではありませんが、福祉を志す学生には必ず役立つだろうという願いからです。さらに川村隆彦著『支援者が成長するための50の原則―あなたの心と力を築く物語』(中央法規出版)に進んだこともあります。

昨年度から2年ゼミではNHKを中心とした放送番組をDVDに焼き一覧表にしたものから学生が希望の番組を選びレポートするようにしています。昨今の学生はスマホからの情報取得が中心でテレビ番組、ことに教養系の番組には接していないように思ったことも動機の一つです。NHKEテレの「ハートネットTV」や総合テレビの「クローズアップ現代」が多いのですが、担当者が事前に視聴、レジュメ作成、ゼミの場で全員で視聴、討論しています。「30分視聴・30分報告・30分討論」というパターンはなかなか思うようにいきませんが、学生の選んだ番組とあって主体性を伴ったものにはなっています。  

昨年度の録画番組約130本の内訳は「ハートネットTV」と「クローズアップ現代」がそれぞれ33本、長めですが「NHKスペシャル」が10本、その他でした。ジャンル別分類では福祉が約60本、被災地いわき市にある大学として原発関連が12本、その他、経済、教育、医療、平和がそれぞれ5〜10本という内訳です。録画した番組をダビング、ファイナライズなどの手間はかかるものの、良質な番組から伝わる時代や世界の現実は、書籍や教員の説明では補えない印象を残す方法だという手応えを感じています。

一例を。今年の4月に扱ったNHKクローズアップ現代「"折れない心"の育て方〜「レジリエンス」を知っていますか?〜」(2014年4月放映)では過去の「心の折れた体験」がほぼ全員から出され涙、涙のゼミとなりました。彼らが青春期のただ中にいることを実感した一コマでした。






   
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