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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

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 青森公立大学 神山 博

 



さまざまな場面でアクティブ・ラーニングという言葉を聞くようになりました。2012年8月の中教審答申(大学教育の質的転換答申)でも示され、また2014年11月の諮問(初等中等教育の学習指導要領改訂諮問)でも、趣が異なっているとはいえアクティブ・ラーニングが小・中・高校での学びの質や意欲・定着に効果的とされています。今後「能動的学修」が初等教育から高等教育まで遍く広がっていく勢いを見せているように思えます。

本学が開学当初から現在まで変わらずに掲げている教育理念として、「常になぜかの問いを発すること」「教育に責任を持つこと」があります。学生は常になぜかの問いを発し、自らの頭で考えることが求められます。なぜなら各学問領域の科目を通して得られる知識は、丸暗記し試験の際に放出する断片ではなく、複雑な現象を分析するための論理的な道具であり、それらを活用して創造すべきものだからです。そして学生にとって必要な場は、受動的に知識を詰め込む場ではなく、彼らが能動的に問い続けることによって拓かれる知的探求の場だからです。

私が担当する情報科目では、従来から自学自修を基本として主体的に学修できる環境づくりにつとめてきましたが、昨年度から問題解決型の授業を大幅に組み込み、より大きな興味・関心を通した知的訓練に軸足を置きつつ分析に必要な個別の知識・技術の修得を目指す形態へと転換しました。「教育に責任を持つこと」は教員だけが独り相撲をしてできることではなく、学生が能動的に問い続けることで初めて成り立ちます。「知的好奇心を刺激すること」も「なぜかを問いかけやすい場づくり」も学生との関係性によって大きく影響されるので、学生とのキャッチボールをしながらより効果的な新しいチップスを探すという、試行錯誤を繰り返しています。大切なのは、知的訓練そのものを目的化するのではなく、そこから生ずる個々の創造性を育くむという教育本来の基本方針に常に立ち返ること、目の前の学生がどのような姿で社会に出てゆくかを想像すること、そして学生と共に学ぶ教員であり続けること。これらを忘れないことが教育に責任を持つことに繋がるだろうと思いつつ現場に臨んでいます。  








   
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